東急ハンズ新宿店、「オタク店員」登用の理由 創業42年を迎える生活雑貨大手の危機感とは
文具やDIY用品、健康グッズを中心に、「ここに来れば何でもそろう」といわんばかりの品ぞろえで顧客を獲得してきた東急ハンズ。創業42年目に突入した同社が今、売り場改革に乗り出している。
高島屋と同じビルの2階から8階にまたがる新宿店は、国内の東急ハンズ47店舗のうち、最大の売り上げを誇る大型店だ。3月1日から、その新宿店のフロア各所に7人の“店主”が登場した。
個性やこだわりが強い社員
5階のインテリアフロアの一角には、睡眠にかかわるコーナーの店主・安土知宏さんが常駐する。複数のメーカーが販売するマットレスや布団、枕の中から客の要望に合った商品を探し出す。満足いく枕が見つからない場合、オーダーメード品の注文にも対応する。アロマなどの関連用品も提案し、さながら睡眠のコンシェルジュといった雰囲気だ。
安土さんはこれまで、20年近く売り場での販売業務に携わってきた。店頭販売する商品の費用対効果を見極めるため、各メーカーの商品はできるだけ自ら購入し、使い心地を確かめるのがこだわりだ。
「メーカーからいただいたり借りたりしたものは、採点が甘くなる。自分で買った商品はジャッジも厳しくなるが、よいと感じた商品はお客様に強く薦めることができる」(安土さん)
安土さんのような店主を務めるのは、店舗販売や本社業務を経験してきた東急ハンズの社員だ。社内公募や指名により、特に個性やこだわりが強い人を集めたという。靴のケアやクラフト、コーヒーなどといったテーマ別にコーナーを受け持ち、オススメ商品の紹介や、客の要望に応じた最適な商品の提案、情報発信を行う。商品の仕入れに関しアドバイスをする権限も有しており、新宿店では9月末までに店主を20人まで増やす予定だ。
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