スバル「新型フォレスター」大胆変身の全貌 5代目はボディ拡大、ターボ廃して扱いやすく

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ちなみに5代目フォレスターのボディサイズは全長4625×全幅1815×全高1730mm(ルーフレールを含める)で、4代目と比べると15mm長く、20mm幅広い。一方ホイールベースは30mm長い2670mmとなっており、前後のオーバーハングを縮めた効率的なパッケージングになっていることが分かる。この延長分は後席の広さに充てたとのことだ。

ボディサイズを大きくしたことで室内の広さを増した(筆者撮影)

新型フォレスターの開発で重視された項目として、SUBARUではセーフティ(安全)、ルーミネス(広さ)、キャパビリティ(能力)を挙げている。最初の項目であるセーフティでは、アイサイトに加えてスバル初の新技術、ドライバーフォーカスを導入したことが目を引く。

インパネ中央上のディスプレイのひさし部分にカメラを埋め込み、ドライバーの脇見や居眠りをチェックし、必要に応じて注意を促すことで、安全運転をサポートするものだ。アイサイトと合わせて事故防止のポテンシャルはさらに高まったと言える。

エンジンは新開発の2.5直噴自然吸気

エンジンはもちろんスバル伝統の水平対向4気筒だが、意外だったのはターボではなく新開発の2.5L 直噴自然吸気としていたことだ。理由について布目氏は、SUVの良さは冒険心を掻き立てる能力にあり、オフロードでの扱いやすさも考えて自然吸気を選んだと説明していた。

駆動方式はもちろん全車AWD。ここでは走破性を高めるテクノロジーであるX-MODEに、路面状況を具体的に示した2つのモードを用意したことが目立つ。すでに一部のSUVで実用化されている装備に近く、SUBARUも同じ流れに乗ったということだろう。

リアスタイルも一新(筆者撮影)

新型フォレスターは米国では2018年秋に発売する予定で、日本でもそう遠くない時期に発表を行うという。今回のショーでは最初に紹介したRAV4をはじめ、このクラスのSUVの新型が目立った。

ただし多くのライバルと一線を画すのは、最低地上高が220mmと、現行型と同じであることだ。このクラスのSUVとしてはかなり悪路走破性を念頭に置いた作りであると感じた。

これもまたインプレッサから導入された、スバルグローバルプラットフォームを採用したことも新型の特徴だ。これにより乗り心地とハンドリングのバランスを高い次元でまとめることができたという。第5世代に切り替わるフォレスターが他車とどんな勝負をするか。真価が問われる。

初代フォレスターも展示されていた(筆者撮影)
森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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