米国の対中巨額赤字、元凶はiPhoneなのか 中国で組み立て、世界中に出荷

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 3月21日、トランプ米大統領(写真)は、よく自身の「iPhone(アイフォーン)」を使って、中国に対して3750億ドル(約39兆円)に上る対米貿易黒字に対処するようツイートで圧力をかけている。ワシントンで22日撮影(2018年 ロイター/Leah Millis)

[上海 21日 ロイター] - トランプ米大統領は、よく自身の「iPhone(アイフォーン)」を使って、中国に対して3750億ドル(約39兆円)に上る対米貿易黒字に対処するようツイートで圧力をかけている。

中国で組み立て、世界中に出荷

しかし米アップル<AAPL.O>のアイフォーンをよく調べてみると、その数字がいかに歪(ゆが)められているかが分かる。

貿易戦争の引き金となり得るこの大きな貿易不均衡は、中国からの最大輸入品である電気・IT製品が主な要因だ。

だが、その貿易不均衡の大部分をもたらしているのが、実は「米国製」とされる製品の輸入であることを、アイフォーンは示している。そうした製品の多くは、部品に世界的なサプライヤーを使い、中国で組み立て、世界中に出荷している。

最新のアイフォーンXを見てみよう。

金融データ会社IHSマークイットの試算によると、部品コストは計370.25ドル。そのうち、110ドルは、韓国サムスン電子<005930.KS>製のディスプレー費用に充てられている。また、東芝<6502.T>と韓国SKハイニックス<000660.KS>のメモリーチップ代として計44.45ドルが計上されている。

台湾や欧米のサプライヤーからも調達している。一方、鴻海精密工業の中国製造子会社フォックスコンのような委託製造業者による組み立てコストは、製造コスト全体のわずか3─6%にすぎないとみられる。

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