複雑怪奇「バス路線」検索全国対応への道のり 35万件の停留所位置は現地調査も実施

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――時刻表と停留所調査、とても地道で大変だったかと思います。コストもかかる作業だと思うのですが、社内ではコストを疑問視する声はなかったのですか。

村川:特にそういう議論はありませんでしたね。まず、バスのカバー範囲が増えることによって全体の利用者が増えますし、バスのデータ単体というよりもシナジー効果により全体で利益を確保するという考え方でした。また、弊社では検索ログの分析を行っているのですが、そのためのデータもより取りやすくなりました。データを用いた行動分析は(地域交通の)コンサルティング事業にも利用しており、BtoCだけではなくBtoBでも役立っています。県単位でコンサルティングするとなると、すべての移動手段のデータが入っていないと難しいのです。

前原:ほかにもテレビ番組で弊社の分析データを利用して、外国人観光客に人気だが、日本人にはあまり知られていない観光地を見つけたということもありました。

「路線バスで日本縦断」の実験も

――やはりデータは大事ですね。ちなみに、バス事業者のカバー率が上がったことで変化はなにかありましたか。

村川:今までなかったルートが出るようになったので、新しくカバーしたエリアの検索回数は増えています。詳細な分析はこれからです。新しく対応したバス事業者のデータをSNSで流すと反響は大きいです。それから、路線バスと徒歩だけで日本列島縦断できるかを社内のバス好きを中心に実験してみました。その結果、乗り継ぎが約200回、移動所要時間が21日、運賃が10万円以上になるという結果がでました。10km以上の徒歩が3カ所ありますが(笑)。

旅行関連のメディア、インバウンド関連のメディアからの取材も多く来ます。ローカルメディアからはその地域特有の事情を聞かれることも多いですね。

バスは停留所を探すのが大変ですし、そもそもどこへ向かうバスがどこを走っているのかわからないという方が多いのが実情です。今回の取り組みで、そういう方が経路検索をしたときにバスのルートが出るようになったということは大きいと思います。私の家族が子どもを公園に連れていきたいというときに、バスでないと行けないところにあって、弊社のサービスがあってよかったと言っていました。バスでしか行けないところも、弊社アプリで検索すれば行けるようになりました。

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