安倍昭恵氏は、歴代首相夫人と何が違うのか 日本の「ファーストレディー」が渦中の人に
2012年の第2次安倍政権誕生時から昭恵氏は、性的少数者(LGBT)のパレードに参加したり、原発に反対したり、沖縄の米軍施設建設反対運動の拠点を訪れたりと、リベラルな政治姿勢に同調する行動で話題となった。
有機野菜を使った料理を出す居酒屋を経営し、医療用マリフアナの合法化を支持する意見を述べたこともある。
矛盾する思想
こうした革新的な言動から昭恵氏は「家庭内野党」とも呼ばれ、安倍晋三首相のタカ派的なイメージをやわらげるのに一役かってきた。
他方、夫である安倍首相の保守的な政治的スタンスと同じような姿勢を取ることも多い。
中国と韓国が過去の日本の軍国主義の象徴とみなす靖国神社に参拝したこともある。安倍首相は2013年12月に一度靖国に参拝したが、それ以来、行っていない。
森友学園をめぐる問題が明らかになる前、昭恵氏は森友学園が開校しようとしていた小学校の名誉校長を務めていた。また、教育勅語をカリキュラムに取り入れた同じ経営者の幼稚園も訪問している。
昭恵氏を知る人は、こうした彼女の一見矛盾する思想に基づく言動は驚くにあたらない、という。豊永氏は「彼女は理論で行動するのではなく、好きかきらいか、という感覚で行動する」との見方を示した。
今月になって森友問題が再燃してから、昭恵氏はこの問題に直接コメントはしていないが、福祉をテーマにしたイベントに出席し、難病を抱える男性との対談の中で「私も過去を後悔したり、反省したりするが、後悔したり、先に起こることを心配したり、恐れたりするのではなく、日々の瞬間を大切にしたい」と語ったことがメディアで取り上げられた。