中国共産党、ウイグル「絶望収容所」の実態 89万人超!収監の正当な理由はないのに…

拡大
縮小
古代から豊かな文化を持つこの土地に大量の漢族が流入し、ウイグル人たちは強制収容所に送られている(写真:JordiStock/iStock)
リークされた詳細なデータによれば、新疆ウイグル自治区のウイグル人密集地域で、ウイグル人口の2~4割が中国共産党の「再教育」キャンプに強制収容されている。

ウイグル人口の2~4割が強制収容施設に収監されている

トルコ・イスタンブル在住の亡命ウイグル人組織によって運営されているインターネットテレビ『イステクラルTV』は2月14日、「信頼できる現地の公安筋から入手した」として、新疆ウイグル自治区の強制収容施設に収監されているウイグル人やカザフ人の数を公表した。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

この表は県単位で収容者数が記されており、ウルムチ市、ホタン市、イーニン(グルジャ)市など、市単位での数値が欠けている。中国の行政単位としては県が市より下となる。おそらく、大きな行政単位の中心市レベルと末端の県レベルでは管轄部署が異なり、このデータをリークした公安警察は、県レベルのデータ管理者だったのだろう。

漏洩した拘束者数がいつの段階のものかはわからないが、収容が大々的に始まった17年に作成されたと考えて間違いない。データは1212万人いるウイグル人口の71%をカバーしているが、県レベル以外のデータが明らかになれば、収監者数はおそらくさらに増える。

89万人を超す拘束者数は新疆全域のデータではないとはいえ、この数値からは多くを読み解くことができる。色で囲ったアクス地区、カシュガル地区、ホタン地区はいずれも住民に占めるウイグル人の割合が極めて高い土地で、データ上で明らかになった収監者数の約8割は、こうしたウイグル人密集地域から連れ去られている(アクス地区合計12万6306人、カシュガル地区合計24万8747人、ホタン地区合計31万5755人、ウイグル人密集地域合計69万808人)。

次ページ流出した強制収容所収監数
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT