日本よりも中国人旅行者が集うタイの魅力 春節に沸く首都バンコクを徹底リポート
チャイナタウンには、そうした中華系タイ人が営む中華料理店や雑貨店が所狭しと軒を連ねる。中でも目立つのは、多くの人でごった返す「金行」。文字どおり「金」を売買取引する店で、渋い輝きを放つ金製品がたくさん飾られている。特に中華系タイ人の間では、資産の一部を金に換えて保有することが多いといわれている。
中華街を端のほうまで進むと、約700年前に建立された「黄金仏寺院」がある。ここにもやはり、純度の高い金で作られた全重量5.5トンもの仏像が祀られており、輝く黄金の姿を一目拝もうと大勢の中国人観光客が訪れていた。寺院の中には、華人がタイに移住して中華街を築くまでに至った歴史を紹介する博物館も併設されており、貿易や港湾労働などでいかに苦労して財をなしていったかが、ろう人形やジオラマなどでわかりやすく説明されている。
政財界でも切っても切れない華人
今や、タイの政財界とは切っても切れない関係を築き上げた華人コミュニティは、タイ王室でさえも重要視する存在となっている。新年初日に開かれた、中華街のあるヤワラート通りで開催された春節祭には、シリントン王女が赤い上下のセットアップに身を包んで訪れ、その様子は地元紙の一面で大きく報じられた。その気さくな人柄から国民に慕われている王女は、実は、大の中国通でも知られている。
中国語を流暢に操り、中国文化の研究にも熱心なことから、タイと中国の文化交流にも大きな役割を担っている。さらに、式典に参加した中国大使も「中国とタイは一つの家族だ」として、春節の祝典は両国間の友好な関係を深める重要なプラットフォームであることを強調した。
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