「運賃高すぎ」北総線、印西市長が値下げ要求 京成より7倍高い線路使用料が問題に

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ここでおさえておきたいのが、第一種から第三種まである鉄道事業の分類だ。その意味は下記のとおりである。

第一種鉄道事業…自社が保有する線路で旅客または貨物の運送を行う事業
第二種鉄道事業…自らが所有する線路以外の線路を使用し、鉄道による旅客または貨物の運送を行う事業
第三種鉄道事業…(1)線路を第1種事業者に譲渡する目的で敷設する事業
          (2)線路を第2種事業者にもっぱら使用させる事業

北総鉄道は京成高砂―小室間(19.8km)は第一種鉄道事業者だが、小室―印旛日本医大間(12.5km)は第二種鉄道事業者として千葉ニュータウン鉄道(第三種鉄道事業者)の線路を使用して電車の運行をしている。

京成はスカイライナー等を成田空港まで運行しているが、北総鉄道などの線路も使用している。つまり、京成上野―京成高砂間は第一種鉄道事業者、京成高砂―成田空港間は第二種鉄道事業者ということになる。

千葉ニュータウン鉄道、成田高速鉄道アクセス、成田空港高速鉄道は第三種鉄道事業者で線路等の施設を持つだけの会社だ。このうち、千葉ニュータウン鉄道は京成にも北総鉄道にも線路を貸しており、線路使用料を双方から徴収している。この徴収額に印西市が異議を唱えているのだ。

線路使用料に大きな格差がある理由

下図は、第三種鉄道事業者である千葉ニュータウン鉄道が京成、北総鉄道それぞれから徴収している年間の線路使用料比較である。

「北総線の運賃値下げを実現する会」作成資料

京成が千葉ニュータウン鉄道の線路上を走らせている列車の年間総走行距離は49万km、対して北総鉄道は62万kmだ。2割ほど北総鉄道の方が多いので、その分だけ差があるのなら分かるが、現在の京成が支払う使用料は3億7535万円なのに対して、北総鉄道はそのおよそ7倍の25億2714万円だ。千葉ニュータウン鉄道は京成の100%子会社であり、親会社である京成に安く貸して、北総鉄道には不当に高く貸しているという構図だと、住民団体の「北総線の運賃値下げを実現する会」は考えている。ちなみに千葉ニュータウン鉄道は従業員ゼロ。社長の平田憲一郎氏は京成電鉄の取締役であり、北総鉄道の社長でもある。

北総鉄道と千葉ニュータウン鉄道との線路使用契約は10年で、この3月に更新時期を迎える。そのため、印西市の板倉市長はこれを機に契約を見直すよう求めたのだ。

板倉市長は北総鉄道に対して以下の主張をしている。

数多くの印西市民を苦しめている貴社の北総線運賃を値下げするためには原資が必要で、貴社が千葉ニュータウン鉄道(京成電鉄の100パーセント子会社)から借りている区間(小室・印旛日本医大間)の線路使用料を適正化することが必須と考えます。この線路使用料は、10年に1度の改定時期を間もなく迎えますが、現在、貴社が支払っている線路使用料は過大であることから、北総線の運賃は、鉄道事業法が法定する「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの」(同法16条2項)になっておらず、当職は、印西市民の代表として、また、貴社の株主として、この状況を看過することができません。この線路使用料を、貴社が京成電鉄に貸している高砂・小室間の線路の線路使用料との比較のうえでバランスが取れた水準に値下げし、北総線運賃が鉄道事業法に抵触している状況を解消し、北総線運賃を大幅値下げするよう、強く要求します。
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