香港の電気街が仮想通貨ブームで賑わう事情 顧客の狙いはマイニング用の「リグ」だった

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 2月21日、アジアで最大規模を誇る香港などの電気街では、このところ最新技術を求める多くの顧客で賑わっている。その技術とは、仮想通貨マイニング(採掘)用の「リグ」だ。写真は1月30日、マイニング用のリグを売るシンガポールの電気ショップ(2018年 ロイター/Dewey Sim)

[香港/シンガポール 21日 ロイター] - アジアで最大規模を誇る香港などの電気街では、このところ最新技術を求める多くの顧客で賑わっている。その技術とは、仮想通貨マイニング(採掘)用の「リグ」だ。

香港の深水ホ(シャムスイポー)やシンガポールのシンリムスクエアなどには、世界中から多数のマイナーが詰めかけている。目的は、狭苦しい店舗の奥でハードウェアマニアの店員が巧みに組み立てるマイニング用リグを購入することだ。

欧州よりも香港の方が3割から5割程度安い

マザーボードやGPU(画像処理用の高性能チップ)、冷却ファン、電源アダプタ、グラフィックボード、メモリボードなど部品単位で購入していくマイナーもいる。だが、わずかな手間賃を払って店員にその場で組み立ててもらったとしても、完成品は相対的に割安になるのが普通だ。

「仮想通貨マイニング関連の機材を買うなら、欧州よりも香港の方が3割から5割程度安くなる」。そう語るのは、ロシアでビットコインのマイニングに携わるディマ・ポポフさん。たとえば香港では消費税が課せられないし、部品メーカーとの距離も近い。

ポポフさんはは香港でグラフィックボード、マザーボード、電源ユニットを調達し、電気料金が安く気候も冷涼なロシアで暗号通貨のマイニングを行うという。

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