香港の電気街が仮想通貨ブームで賑わう事情 顧客の狙いはマイニング用の「リグ」だった

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ワイズテック・デジタル・テクノロジーの店舗マネジャーを務めるジェリー・ウー氏は、暗号通貨マイニング用の機材販売はコンピューター部品販売に比べて収益性が5割も高く、1カ月で5万─6万香港ドル(約68万円─82万円)の利益が得られるという。

「この収益は大きい」とウー氏は言う。

流れに乗る半導体メーカー

マイナーたちが割安な機材を探し求める中で、半導体メーカーにも商機が訪れている。リグに要するコストは数千ドルから数万ドル、あるいはそれ以上になるが、そのなかで最も高額なパーツは演算処理用のチップだ。

マイクロチップ製造最大手の韓国サムスン電子<005930.KS>は、暗号通貨のマイニングで用いられるGPUに対する「爆発的な」需要が、新たな成長の原動力になっているという。

「ファウンドリー事業の顧客ベースのうち、今年は仮想通貨産業の顧客が占めるシェアが急激に伸びると思われる」。サムスンのファウンドリー(半導体受託生産)事業を担当するリー・サンヒョン副社長は電話会議でそう語った。

ファウンドリー業界で売上高、販売量とも世界首位を走る台湾積体電路製造(TSMC)<2330.TW>は、マイニング用リグで使われるチップの需要が今年急上昇すると予想している。

TSMCは、暗号通貨マイニング用チップ製造を、新規事業の1つとして採用した。

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