「やりたい仕事」を探し続けるのは無意味だ 「守り」に入る時期を見誤ってはいけない

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仕事とは社会人であれば誰もが長期で向き合わなければならない対象です。自分自身がやってみたいと思えるあこがれの仕事があればチャレンジという意味での攻めのキャリア構築が正解でしょう。

ただし、誰もがそういった対象となる仕事が念頭にあるわけでもないのも事実です。

その場合はディフェンス、つまり労働市場という長期で滞在せざるをえない場において自分自身がいかにサバイブするか(生き残る)を考えるべきです。

仮に人間関係がご自身で仕事を選ぶうえで最優先の事項であり、その人間関係に問題があるのであればそこに問題のない会社に移り、精神的なストレスから解放された状態で仕事を継続することも当然アリです。

そのうえで、その移った会社で最大限の努力をしつつ、自分にとっての仕事の意味合いなどを考え、今後のキャリアをどう形成していくかを考えましょう。

キャリア構築が長期で考えざるをえない以上は、攻めの期間やディフェンスすべき時期やタイミングを誤ってはいけません。

やりたいことが明確でないカマタさんにとって、今は攻めの時期ではなく、守りの時期です。

やりたい仕事は探しても出てこない

体や心がきちんとしていての社会人生活ですから、仮に人間関係がもう辛抱がならないほどのレベルであればいったん会社を移り、自分に合った環境で努力をしてみることも大切です。

これは逃げでは決してありません。長期を見据えた行動です。

そのうえで今度は攻めの展開につなげられるように、新たな会社で結果を出す努力をするのは当然として、中長期的には仕事を選ぶうえでのご自身の中での優先順位を明確にしましょう。

なお、「やりたい仕事を探すべきか」と書かれていますが、やりたい仕事はいくら探しても出てきません。

やりたい仕事や面白い仕事は、目先の仕事を通じて自分で形成していくものです。現状の仕事を通じて、やりたいと思える仕事の特徴ややりたくない仕事の特徴などを価値観として形成していくしかありません。

現在カマタさんにあるのは、「面倒な人間関係」というやりたくない仕事の基準だけです。今度はやりたい仕事の基準や優先順位を自分で作っていきましょう。

そのためにも、まずは落ち着いて仕事に専念でき、ご自身の将来を考えられるような会社にいったん移り、そこでの努力を通じて自分にとっての理想の仕事像を固めていくことが動きとしてはよいと思います。

キャリアもご自身の考え方も流動的な要素が強いのが事実ですから、立ち止まるよりは行動を通じて探求したほうがいいときもあります。

カマタさんがそういった探求を通じて将来理想とする仕事を見つけることができることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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