JTのプリンスは、37歳の経営企画部長
JTのエースと語る、日本企業のこれから(上)

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

筒井:そうですね。ジュネーブのオフィスは、現在は900人以上います。ギャラハー買収前の当時は450人ぐらいでした。

ジュネーブでは、最初の3年に、ビジネスディベロップメントを担当した後に、コーポレートストラテジーのヘッドを務めました。3年半ほど、JTインターナショナルのCEOの近くで仕事をしました。それまでは、買収をしたり、交渉をしたり、契約をまとめたりビジネスを興していく仕事がメインでしたが、コーポレートストラテジーは、経営計画や中期計画の策定、戦略立案をするのが中心ですので、仕事内容はガラっと変わりました。

そして2012年の3月に日本に帰任しました。私自身は、日本に帰ってキャリアを築くというよりも、このまま海外で次のポジションへ進みたいと考えていたのですが、「日本に帰って来い」「経営企画の仕事をやってくれ」と声がかかったので、帰ってきました。それまで7年近く海外にいて、かなり自由に仕事をさせてもらったので、そろそろ会社に恩を返さないといけないと思いまして。

日本の経営企画部は、JTインターナショナルのコーポレートストラテジーと似たような仕事かと思っていたのですが、ずいぶん違うなという印象です。着任当時、経営企画部長というのが、どんなにシニアなポジションかもわかっていなくて、「お年はいくつですか?」と聞かれて、「37歳です」と答えると、「えーっ」と驚かれます。

瀧本:JTはすごく古い会社かと思いきや、そういう会社に変わってしまったわけですね。JTのほかにも、リクルートホールディングスのように、経営企画をかなり仕切っている30代がいる会社もありますが、30代の経営企画部長は日本企業ではとても珍しい。

筒井:私は海外で勤務している間、年齢を意識することはありませんでした。JTインターナショナルという組織は、簡単に言えば外資系カルチャーですので、第一優先事項は成果が出せるかどうか。結果さえ出せれば、若くてもいいというカルチャーの中で7年間生きてきましたので。

瀧本:実は僕も年齢を聞かれるのが面倒くさいので、あらゆるメディアに対して年齢非公開ということにしています。

筒井:おいくつなんですか?

瀧本:一応、秘密なんです。20代半ばのうちに、売上高が600億円しかないのに借入金が2000億円もある会社の再建に参画したのですが、そのとき、年齢不詳のほうが便利だと気づきました。

筒井:私も、最近は年齢を意識させられることが多いですね。経営企画担当者が集まる場に行って見ると、私は経営企画部長の代理の代理ぐらいの年齢ではないかと感じます。

(構成:佐々木紀彦、撮影:風間仁一郎)

※ 続きはこちら:日本の企業人は、「日本」にこだわりすぎる

瀧本 哲史 エンジェル投資家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たきもと てつふみ

京都大学客員准教授、エンジェル投資家。東京大学法学部を卒業後、東京大学大学院法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼーに入社。3年で独立し、日本交通の経営再建などを手がける。その後、エンジェル投資家として活動しながら、京都大学では「交渉論」「意思決定論」「起業論」の授業を担当し人気講義に。「ディベート甲子園」を主催する全国教室ディベート連盟事務局。著著に『僕は君たちに武器を配りたい』『武器としての決断思考』『武器としての交渉思考』がある。

【2019年8月16日18時00分編集部追記】2019年8月10日、瀧本哲史さんは逝去されました。ご逝去の報に接し、心から哀悼の意を捧げます。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事