仮想通貨大国ニッポンのあまりにお寒い現状 監視が強化されてもはびこる無登録業者

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言い換えれば、この時期に金融庁は投資家保護の姿勢を強めたということだ。実際、ブロックチェーンラボに対して金融庁が最初の照会状を送ったのは昨年12月半ばのこと。

CtCトークンは勧誘の時点において、取引所への上場を謳っていた。それらを勘案し、金融庁は同トークンが仮想通貨に当たると判断したようだ。

講師は「海外投資での成功者」

ブロックチェーンラボは、「BitPlus」(ビットプラス)という新設された海外取引所の利用も勧めていた。「アフィリエイト(成果報酬型広告)特化型」というのが売り文句で、知人を紹介すれば、その知人がビットプラスで取引した額の一定割合を報酬として継続的に受け取れる。紹介すれば紹介するほど、自分も儲かるわけだ。

日本国内で仮想通貨交換業の登録など取引所の整備が進められている一方で、ブロックチェーンラボはおかまいなしの動きをしていたといえる。

ブロックチェーンラボのセミナー風景。会場は満席だった(記者撮影)

セミナー会場にはブロックチェーンラボの従業員もいたが、その役割は基本的に裏方。前面に出て講師を務めていたのは、海外投資での成功者として一部では名の知られた男性である。彼はCtCやビットプラスについて、「マーケティングの部分でお手伝いをしています」と述べていた。

ただ、この男性についてはあまりよい評判を聞かない。タイやフィリピンなどの海外不動産や米国の油田開発ファンドの投資を勧めた顧客からは訴訟を起こされている。裁判は、海外に住む男性の所在地が不明のため、訴えた顧客側の請求がそのまま認められたという。

ブロックチェーンラボに対する警告書は、金融庁発表前の2月11日に日本経済新聞が第一報を伝えた。翌12日、ブロックチェーンラボは報道を受けて、「日本での活動は今後一切行いません」との内容で過去のセミナー参加者などにメールを送信した。

一方で同メールには、「金融庁の許認可を受けているところとも協議をし、日本のルールにのっとった形で(ICO案件を)紹介できるようになればと考えています」と記されている。警告を受けても日本での営業活動はあきらめていないということだろう。

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