カンロは「糖質制限ブーム」なんて気にしない 「健康のど飴」が定着、「虫歯予防」飴も

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老舗菓子メーカー、カンロが2017年9月に主力の「健康のど飴」シリーズに投入した新商品。マヌカハニーや乳酸菌が入っている。健康志向の消費者がターゲットだ(編集部撮影)

インフルエンザが猛威を振るっている。厚生労働省の定点観測調査では、1医療機関あたりのインフルエンザの患者数は1月28日までの1週間で平均52.35人に上り、過去最多を更新した。風邪やインフルエンザのきっかけの一つがのどの乾燥だ。のどの潤いが足りなくなると、細菌やウイルスはのどの粘膜に付着しやすくなり、炎症を起こす。

風邪予防に効果があるとされるのど飴(あめ)だが、健康志向の高まりで砂糖を使う菓子の代表格は苦境のまっただ中にある。民間企業・インテージの全国小売店パネル調査によると、キャンディの市場規模は約2000億円とこの20年ほぼ横ばいだ。ただ、そこから伸び盛りのグミを除くと、ピークだった2003年に比べ約20%も減少している。

そんな中、業界2位のカンロは「逆張り」戦略を貫く。キャッチフレーズは「糖と歩む企業」。その真意はどこにあるのか。

逆張りで「糖」にとことんこだわる

カンロは2017年11月、新たな事業計画を発表。健康を切り口とした商品開発を柱に据えたが、糖へのこだわりはむしろ強まっている。ホームページでは「糖から未来をつくる。」と銘打ち、おなかの調子を整えるオリゴ糖、虫歯を防ぐキシリトールなど、糖質の効能や可能性を正確に訴求していく戦略を明確に打ち出した。

カンロは2017年11月にロゴマークを刷新。社名表記はカタカナから英語になった。三須和泰社長(右)は海外市場への再挑戦に意欲を見せる(撮影:風間仁一郎)

第1弾は社名となっている主力商品「カンロ飴」の刷新だ。60年ぶりに刷新して2018年秋にも発売する。添加物のアミノ調味料の使用をやめ、しょうゆ、砂糖、水飴の3つの素材のみで現在と同じ風味に仕上げるという。

ロゴマークも刷新した。「カンロ(甘露)飴」をイメージしたポップな飴玉のイラストに変更。1912年(大正元年)創業で1920年から飴玉の製造に着手した老舗の「飴」へのこだわりを強く打ち出した形だ。

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