上場企業傘下のICOはメタップスが世界初。会計上の扱いについては、同社が採用する国際会計基準はもちろん、日本基準にも明確な指針がない。
メタップスは「受領した対価(仮想通貨)は将来的に収益として認識する」方針だ。ICO直後は暫定的に流動負債の「預かり金」として計上したが、昨年11月のコインルーム設立と同時にホワイトペーパー(資金使途などを示す文書)の定める利用者への返還義務がなくなったとして、将来の収益認識を前提とする「前受金」へと計上し直した。
仮想通貨は現金と同等に扱えるのか
だがこの返還義務の有無には議論の余地が残る。韓国では今、仮想通貨の取引禁止を含む規制の議論が過熱。コインルームの発展性や継続性に不安が増す中で返還義務が消滅したと言い切るのは容易ではない。
そもそも仮想通貨は現金と同様に扱えるのか、という論点もある。昨年12月には、韓国でハッキングによる仮想通貨喪失が発生。メタップスの監査法人は、専門家による情報セキュリティに関する追加検討や、同社が保有する仮想通貨残高を適時に確認する手続きの検証が必要だと、会社側に説明しているという。
ICOの波は各国の上場企業に広がる可能性もある。メタップスのケースはICOの会計処理の“前例”となる。四半期報告書の提出期限は2月15日。その内容に注目が集まる。
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