「逗子ストーカー殺人」被害者の兄が語る課題 「情報漏えい」問題はその後どうなったのか

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逗子市の平井竜一市長は、判決後の会見で控訴はしないとし、こう語った。

「すべての自治体が今回の事件を教訓として、情報セキュリティー対策を強化し、2度とこのような個人情報の漏えいが起きないよう、万全の対応を図っていただきたいと思います」

事件前、梨絵さんから相談を受けていたNPO法人『ヒューマニティ』の小早川明子理事長も、判決を評価する。

事件現場となったアパート。犯人は梨絵さんを殺害後に2階の窓から首をつって自殺した

「よく戦ってこられたな、頑張ってこられたなと思います。判決も、裁判官が市の情報漏えいについて厳しくコメントしており、納得のいく判決だったと思います」

としながら、不満も少し。

「情報漏えいがあったために男が刃物を持ってやって来たときの、梨絵さんの恐怖を考えると、110万円という金額は安すぎると思いました」

この殺人事件をきっかけに、ストーカー規制法が改正され、メールの連続送信もつきまとい行為として禁止されることになった。

しかし凶悪で身勝手なストーカー事件は後を絶たず、2013年には三鷹ストーカー殺人事件、2016年には小金井ストーカー刺傷事件が起こった。再び法律は改正され、緊急時には警告を出さずに接近禁止命令が出せるようになり、罰則の強化、情報提供の禁止などが盛り込まれたが、前出・小早川理事長は、

「情報提供の禁止には罰則の規定がない。もっと厳しくしてくれてもよかったのではと思います」

と不備を指摘する。

とはいえ、警察の対応も、隔世の感があると言い、

「加害者を釈放した後には、その動向を注意深く見守ってくれていますし、相談に行くとちょっとしたことでも“警告を出しますか?”と聞いてくれます。非常に鋭敏になってくれていると思います」

と評価したうえで、

「ただ、県警によって力の入れ具合に違いや格差が出てきているとの印象を受けます」

次ページ「加害者の治療が本当の意味でのストーカー対策」
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