アドテクの「ジーニー」が描く世界戦略の中身 工藤智昭社長にロングインタビュー

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ジーニー「成長性に関する説明資料」より

村上:アドテクで地域拡大を考えれば、地域ごとに旬の技術が違うこともあると思います。地域ごとの技術トレンドの変化やローカライズにはどう対応されていますか?

工藤:確かに東南アジアにおいては、トレンドのタイミングがずれますね。日本で通じたプロダクトが海外でも強力だと思われる場合もあるし、日本でしか使えない場合もあります。プロダクトを強くしていくことがそのまま海外での成長に密接にリンクしているわけではないんです。

村上:ローカライズが必要だとすると、中期的なトレンドを見極めてフォーカスするというお話ですが、地域別にフォーカス課題を見つけて対応するマネジメントが必要になるということですね。

工藤:そうですね。今は、1年後を重要なマイルストンとしておいていますが、安定してくると2年後のグロースのためにどこを取るのが一番いいか、という議論になる可能性もあります。そうすると海外ももう少しやりやすくなるのではないかと思っています。

上場をてこに世界戦略を加速させたい

村上:このタイミングで上場された理由はどうしてなのでしょう?

工藤:いくつか理由があるんですが、国内のアドテク事業の継続的な市場シェア拡大が見込めており、安定的に成長して利益が出ている、つまり収益の基盤が安定していること。それから海外も伸びていて、ほぼ黒字化の水準になってきていること。新規事業だったマーケティングオートメーションも伸びてきて黒字化が近づいてきており、今後、中長期で継続的なグロースを目指せることです。それらを考え、今がベストのタイミングだと考えました。

村上:なるほど、基盤事業の安定性と成長性のバランスがよい頃合いと判断されたのですね。ところで、当期純利益が赤字になったのは投資有価証券評価損が原因だと思いますが、何への投資だったんですか?

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