ビットコインは有事の資産防衛に有効なのか 預金封鎖や通貨切り替えがもし起きたら

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言い換えれば、各国の中央銀行が時間稼ぎをしている、ともいえる。いずれは規制される可能性が高いが、それまでは仮想通貨バブルは続くのかもしれない。

資産の一部を仮想通貨で資産防衛?

仮想通貨市場で大切なことは預金封鎖や通貨切り替えなど、政府の強権的な資産収奪にビットコインなどの仮想通貨が、その独立性を発揮できるかどうかだ。韓国では仮想通貨取引の規制強化が出ており、ニューヨークではビットコインのETF(上場投資信託)の認可が下りないなど、仮想通貨に対する風当たりが強まっている。

現在、日本では2017年4月に改正資金決済法によって、仮想通貨交換業者の登録制が始まった。中国と異なり、いまのところ取引所の存在を認め、交換業者を登録制にすることで、最低限の規制にとどめておこうという考え方のようだ。中国が全面的に禁止した「ICO」も、いまのところ規制の動きはない。

ビットコインなどの売買で得た利益は、金などと同様に雑所得扱いとされ、取引所で口座を開設する際にマイナンバーの提示を求められているから、通常はビットコインを使ってマネーロンダリング(資金洗浄)というのも難しい。

ただ、ビットコインがすでに国際間での取引が日常的に行われていることを考えると、キプロス危機のときにロシアの富豪たちがやった資産逃避の方法として仮想通貨はまだ有効と言えるかもしれない。

預金封鎖とか通貨の切り替えは、一般的にある日突然「寝耳に水」の状態で行われる。資産防衛の一環として、金と同様に資産のほんの一部を仮想通貨に交換しておく、もしくは口座だけは開いていつでも資産逃避のツールとして準備しておくという手はある。ただし、ビットコインなどはすでにバブルの領域に入っていることだけは忘れないほうが良さそうだ。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

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いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

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