「内向き志向の日本人」はすでに古い考え方だ

最新の留学生数から見える日本の将来像とは

今までは主に、大学が把握している留学生数を見ていきましたが、中学・高校生や社会人を含めるとどうなるのでしょうか。

一般社団法人 海外留学協議会(JAOS)が留学事業者40社を対象に行った調査によると、2016年は7万9123人が留学事業者(エージェント)経由で留学に参加しています。この調査では、いわゆる語学留学やワーキングホリデーも含め、大学を介さずに個人で留学に参加した大学生や、中学・高校生や社会人などの数字を反映しています。そのため、先ほどのJASSOの数字と合算すると、実に年間17万人以上が海外に留学していることになります。

さらにJAOSによれば、文部科学省の統計やJAOS非加盟である他の留学事業者の手配数、自己手続き数なども集計することで、日本人の留学生数は実質20万人前後に達していると考えられるとのことです。

留学エージェント経由のJAOSの調査から読み取れることとして、留学目的としては、語学研修が全体の約7割を占めています。ここ最近のトレンドとしては、中学・高校留学も全体数の約2割を占めていて、2020年の大学入試改革や英語教育の見直しの動きの中で留学の若年化も進んでいることがあげられるでしょう。

国別には、ほぼJASSOの調査と似た傾向が挙げられますが、5位にフィリピンが入ってきています。最近のセブ島を中心としたフィリピン留学ブームがまだまだ続いていることがうかがえます。

これからの留学像

これまで留学生数の推移を見てきましたが、内向きというより、海外に対する関心は高いようです。ただ、海外の名門大学への正規留学やMBA留学という定義で考えますと、以前に比べて減少傾向にあるのも事実です。

日本の教育機関でもアクティブ・ラーニングなどの実践的な教育が進み、就職活動に向けた国内外のインターンシップへの参加など、様々な要因により、より留学も多様化が進んできています。ふだん大学生と接する中でも、海外には行きたいけど、「就活があるから」「休学中も大学の費用がかかるから」など、長期間は行けない事情があるようです。

これからは「グローバル化」「内向き・外向き」という議論だけでなく、より効率的な留学のスタイルが求められてくるでしょう。

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