「くまのパディントン」英高速列車の愛称に 車両に名前を付けるのが英国流だった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

『くまのパディントン』の著者である故マイケル・ボンド氏は昨年6月、91歳で亡くなっている。

ボンド氏の実娘であるカレン・ジャンケル女史は、命名式の席で「父はすでに私たちと一緒にはおりませんが、こういった形で父とパディントンの名前が刻まれるのは家族にとって大変うれしいこと」と喜びを示した。

命名式では、ボンド氏の名が刻まれた車両先頭部のお披露目に引き続き、「パディントン」の好物である、オレンジマーマレードがたっぷりつけられたサンドウィッチが参列者に振る舞われた。ちなみにボンド氏死去の際は、ファンらがパディントン駅1番線にある「くまの銅像」を訪れ、献花とともに多数のオレンジマーマレードの瓶が供えられたほどだ。

ドアにもパディントンの絵が

ドアに描かれたパディントンのイラスト、ドアによって絵柄が異なる(Photo by Patricia Brown)

全世界的にファンがいる「くまのパディントン」の名を冠した列車を走らせるに当たり、GWRは先頭・最後尾の車両に名前を入れただけでなく、各ドアに「くまのパディントン」のイラストを施した。広く知られた「青いコートを羽織って、帽子をかぶるパディントン」が描かれているかと思えば、黒のコンテで描かれた原画を貼り付けたドアもあり、バラエティのあるイラストはファンならずとも存分に興味をそそるだろう。

せっかくこれほどまでに「パディントンづくし」の車両なら、車内にも一工夫してほしいものだ。たとえば、車内限定でGWR制服を着たパディントンのぬいぐるみでもあったら、ファンの間でコレクターアイテムとなることは必至だろう。ただし、何でもビジネスに結び付ける日本とは違い、今回のイラストを見てもわかるようにパディントンで一儲けしようというムードは感じられない。気づいた人だけがニヤリと笑う。これが英国人気質かもしれない。

さかい もとみ 在英ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Motomi Sakai

旅行会社勤務ののち、15年間にわたる香港在住中にライター兼編集者に転向。2008年から経済・企業情報の配信サービスを行うNNAロンドンを拠点に勤務。2014年秋にフリージャーナリストに。旅に欠かせない公共交通に関するテーマや、訪日外国人観光に関するトピックに注目する一方、英国で開催された五輪やラグビーW杯での経験を生かし、日本に向けた提言等を発信している。著書に『中国人観光客 おもてなしの鉄則』(アスク出版)など。問い合わせ先は、jiujing@nifty.com

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事