まじめな人ほど問題をこじらせてしまう理由 ギャンブル狂の息子を止めた親の意外な秘策
純粋な人ほどこのことに気づかず、変えられないことにエネルギーを投下して成果が得られないばかりか、その失敗までも自分に原因を求めることになりがちです。
これが高じて、努力が自己否定につながり、さらなる努力を要求するループに入り込むと、自分を責め苛むことが続き、問題に巻き込まれた当人の精神的健康まで悪化させることになります。
悪循環にくさびを打ち込む
拙著『問題解決大全』では、全37のうちの11の問題解決法を、「原因と結果の悪循環」への対処法として解説しています。
たとえば、拙著で最後に紹介している毒をもって毒を制す手法「症状処方」。その方法とは「取り除きたい問題(症状)をあえて促す」こと。
たとえば、手の震えを止めたいという人に、あえて手を震わすように指示するような方法です。アホらしいと思うかもしれませんが、これで手の震えが止まる人もいるのです。
以下に、この手法で問題が解決した実例を紹介しましょう。
最初は厳しすぎる親への反発からギャンブルに走った息子は、今ではギャンブルという問題行動を続けることだけが、親からの関心を引く方法になっていました。
家族療法家は、息子にギャンブルの道を極め、それで生計を立てるよう指示し、親にも息子がこの道に進めるよう十分に支援するように指示しました。
しかも、「その道の先達である息子から、週に2回、ギャンブルの手ほどきを受けるように」と指示し、息子には「君はこの道で食べていくプロなのだから、その指導料をちゃんと親から徴収するように」と念を押しました。
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