日本が、バンクーバーに学ぶもの ゲームなどの新規産業を大胆に振興

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日本では端末で起動するネイティブアプリと呼ばれるゲームはスマホが主体だが、海外は「クラッシュ・オブ・クラン」が世界で大ヒット中のスーパーセルがタブレット・ファーストを掲げているように、タブレット上のゲーム開発に注力する会社が多い。ロードハウスインタラクティブも漏れなくその一社だ。バンクーバーという地の利を生かし、タブレット中心のモバイルゲーム市場で覇権獲得を虎視眈眈と目指す。

世界ビッグ3の一角の拠点もバンクーバーに

もう一社、バンクーバーに拠点を置くゲーム会社として有名なのが、世界のゲーム会社でビッグ3の一角と言われるEAだ(残りは仏ユービーアイソフトと米アクティビジョン)。EAがバンクーバーに拠点を設立したのは、1991年。先述のディスティンクティブ・ソフトウェアを買収したことがきっかけだった。現在は19カ国の国籍からなる従業員1300名が、ここで働いている。

広大な敷地が広がるEAのバンクーバーオフィス。オフィスというよりも、まるで一大スポーツ施設だ

EAのバンクーバーオフィスの特徴は、「FIFAサッカー」「NHLホッケー」「(総合格闘技の)UFC」など、スポーツのゲーム開発に特化していることだ。これらのゲームは、パソコンや据置型ゲーム機などマルチプラットフォームで提供されている。

スポーツを主体とするだけに、オフィスの作りもそれに合わせている。その徹底ぶりはまるでスポーツ選手のトレーニング施設に来たのかと見紛うほどで、社員がスポーツを体験するスペースが至る所に存在する。現地でバイスプレジデント兼エグゼクティブプロデューサーとして働く牧田和也氏は「若い社員が多いということもあり、実際にスポーツをプレイすることで、よりよいゲーム開発を行う環境を整えている」と語る。

牧田氏はバンクーバーの魅力として「人材の集めやすさと生活のしやすさ」を上げる。特に生活環境については国籍が多様なだけに、「英語のレベルに対する寛容度が高い」(牧田氏)。このことは、従業員の定着にも貢献しているようだ。牧田氏自身、日系のゲーム企業などを経て10年以上EAのバンクーバーオフィスに勤めている。

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