日本が、バンクーバーに学ぶもの ゲームなどの新規産業を大胆に振興
源流はジンガの新社長
2009年11月に設立し、現在、バンクーバーでスマートフォンとタブレットに特化したゲーム開発を行っているのがロードハウスインタラクティブだ。「エレメンタルパワー」など、5つのゲームを運営している。
ロードハウスインタラクティブの歴史は、バンクーバーのゲーム業界の歴史と結びついている。3人いる共同創業者の1人でプレジデントを務めるターニー・ウィリアムズ氏の父親が、1981年にディスティンクティブ・ソフトウェアという会社を設立。そこに今年7月ジンガの社長になったドン・マトリック氏が持ちこんだゲームが、バンクーバーで初めて開発されたゲームソフトだった。ディスティンクティブ・ソフトウェアはその後、後述する米国大手のゲームソフトメーカー、エレクトロニック・アーツ(EA)に買収されている。
ターニー氏は当時、ドン・マトリック氏が開発したゲームを子どもながらひたすらテストプレイしていた。このときの経験を生かし、今年1月、セガに買収されたTHQカナダ等の在籍期間を含め、24年間一貫してゲーム業界に従事している。もう一人の共同創業者であるイアン・バーチェル氏も業界の古株で、その意味でロードハウスインタラクティブはバンクーバーにおけるゲーム史の流れを汲んでいる会社だ。
3人目の共同創業者でCEOのジェイムス・ハーストハウス氏は、バンクーバーで事業展開するメリットを「通信回線やソフトウェアなどの関連産業が多く、ゲームの開発が行いやすい」と語る。今後同社はゲームの仕組みを生かし、教育、医療、政治に関するコンテンツを提供する予定だ。その際、グローバル展開をより一層強化するため、「場所的にアジアへの往来がしやすく、アメリカの西海岸と時差がないことも魅力」(ハーストハウス氏)だという。
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