仕事でミスを連発する人は「トヨタ式」に学べ 原因を知り、共有し、精神論で終わらせない

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トヨタ式が大切にしていることの一つは「バッド・ニュース・ファースト」です。どんな小さなミスや異常でも「隠す」とか「あとで何とかする」のではなく、「すぐに」「みんなに見える」ようにしてこそ、ミスや失敗は「より良いもの」をつくるチャンスになり、その人だけでなく、みんなの成長の糧になるのです。

失敗したときには「失敗した」と大きな声を出せ

トヨタ式を実践しているある企業の経営者は新入社員研修でいつもこんなことを言っていました。

「もし仕事で失敗をしたときは、みんなに聞こえるように大きな声で『失敗した』と言いなさい」

『トヨタだけが知っている早く帰れる働き方』(文響社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

新入社員にとって仕事の多くは経験したことのないものですから、当然そこにはミスや失敗が起こります。そんなとき、「こんな失敗をして怒られたらいやだなあ」などと考えたり、「このくらいの失敗ならいいか」と学生気分が抜けないまま、失敗を隠すようなことがあるとあとあと悪い習慣になって困ります。

そうならないためにも経営者は、失敗の大小にかかわらず、失敗したときは「失敗した」と周りのみんなに聞こえるように言いなさい、と教えたのです。

そうすれば、周りの先輩や上司が「何やってんだ」くらいは言うかもしれませんが、「ここはこうすればいいんだ」と助け船を出してくれるというのです。

大切なのは失敗をしたときに決して隠すとか、自分1人の力で何とかしようとしないことです。仕事における失敗というのは1人では何ともならず、あがけばあがくほど問題が大きくなることがほとんどです。

桑原 晃弥 経済・経営ジャーナリスト

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くわばら てるや / Teruya Kuwabara

1956年広島県生まれ。慶応義塾大学卒。業界紙記者を経てフリージャーナリストとして独立。トヨタ式の普及で世界的に知られたカルマン株式会社の顧問となって、トヨタ式の実践現場や大野耐一直系のトヨタマンたちを幅広く取材、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作を幅広く主導した。一方、業界を問わず幅広い取材経験を持ち、企業風土や働き方、人材育成から投資まで、鋭い論旨を展開することで定評がある。『トヨタ 最強の時間術』(PHP研究所)、『伝説の7大投資家』(角川新書)など著書多数。

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