上海市、神戸鋼製品の安全性に注意呼び掛け 消費者の利益を保護するため検査措置を強化

拡大
縮小
 12月29日、中国上海市は、神戸製鋼所が製造した金属製品の安全性に対する注意を呼び掛け、検査措置を強化した。写真は神戸製鋼所のロゴ。神戸で10月撮影(2017年 ロイター/Thomas White)

[上海 29日 ロイター] - 中国上海市は、神戸製鋼所<5406.T>が製造した金属製品の安全性に対する注意を呼び掛け、検査措置を強化した。中国国営の新華社通信が上海市当局の情報を引用して報じた。

神戸製鋼は10月、検査データを改ざんした製品の出荷先が約500社に上ることを明らかにした。一部の国内工場は既に、製品の品質や安全性を定めた日本工業規格(JIS)認証の一時停止処分を受けている。

新華社が上海出入国検査検疫局の情報として伝えたところによると、同社は2016年9月から2017年8月にかけて、上海部門を通じて中国に45万1000トンの金属製品を出荷した。このうち、アルミ板1420トンと銅板116トンのデータが改ざんされているという。

中国の消費者の利益を保護するため

神戸製鋼の上海部門も製品の安全性を検査するため顧客と連絡を取り合っているが、中国の消費者の利益を保護するため、当局も同部門の監督を続けるとしている。

当局は神戸製鋼が製造したすべての製品の検査を実施し、データが改ざんされた製品を技術面から検査する特別チームを立ち上げ、結果を定期的に公表するという。

当局はさらに、上海港から荷揚げされた日本製の金属製品の定期検査を実施する方針。神戸製鋼の上海部門の関連業務については、既に過去にさかのぼって調査を行っている。

報道に関する神戸製鋼の上海部門のコメントはこれまでのところ得られていない。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT