民進党「新党結成」構想はやはり不発に終わる

蓮舫氏は離党・立民入り、予備軍も続々

そうした中、民進党の「離党ドミノ」もなお拡大した。抜群の知名度で民主党以来のスターだった蓮舫元代表が合同会議後に離党届を提出、そのまま立憲民主に入党届を出したからだ。蓮舫氏はかねてから党執行部の再建案を批判しており、25日に枝野氏と会談した際、民進離党の意思を伝えていたとみられる。民進党内では元テレビキャスターの杉尾秀哉参院議員ら10人前後が「離党予備軍」とみられており、蓮舫氏の離党で一気に立憲民主入りに雪崩を打つ事態となりそうだ。

蓮舫氏らは政治理念が立憲民主に近く「希望の党とは一緒にやれない」(蓮舫氏周辺)との意識では共通している。大塚代表が自ら打ち上げた新党結成を見送ったのも、「強行すれば再分裂で党が崩壊する」(党長老)との危機感からだったが、離党ドミノは止まらなかった。

こうした中、衆院会派「無所属の会」代表で民進党常任顧問でもある岡田氏は、「野党第1党の大分裂は信じられない。我々は20数年間何をやってきたのだろう」と慨嘆した。同氏は新党への移行にも反対で、党組織を維持した上で時間をかけて再建に取り組むべきだと主張してきた。一方、「民進分裂のA級戦犯」とされる前原誠司前代表は「あの(希望の党合流という)決断についてはまったく後悔していない」と開き直り、希望の党の一員として活動を続ける。民主党時代も含めて複数回党代表を務めた「党の顔」の両氏のこの対照的な態度が、「バラバラ民進」を象徴している。

党再建も「カネの切れ目が縁の切れ目」に

新党結成を目指しながら結局、現時点での党存続を選択した最大の理由は、ほとんどが政党交付金とされる70億円という「党の貯金」の存在だ。政党助成法からみて、解党・新党結成となれば、他党への吸収合併か「分党」でない限り、使い残しの交付金は国庫に返還しなければならない。過去に解党したみんなの党や維新の党も相当額の交付金を返納している。党存続にこだわる岡田氏は「新年以降、民進党の交付金は激減するので、70億円などすぐなくなる」と“カネ目当て”を否定するが、党運営のため銀行から数億円を借り「人生で初めて保証人になった」と肩をすくめる玉木・希望代表からみれば、「民進党は大金持ち」でもある。

玉木氏が民進との統一会派結成に前向きなのは、将来的に民進の希望合流が実現すれば「巨額の貯金もついてくる」(希望幹部)という計算から、と勘繰る向きも少なくない。その一方で、立憲民主入りを窺う民進議員達からは「所属全議員の貯金なのだから、分党して公平に配分するべきだ」との声も相次ぐ。それだけに、民進党の党再建作戦は「カネの切れ目が縁の切れ目」ともなりかねない。

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