6年間痴漢に遭い続けた女性が、今語る理由

フランスで被害体験を描いた「Tchikan」出版

――なぜ日本には、痴漢が存在すると思いますか。

痴漢行為自体は日本だけの問題ではないと思いますが、日本で起こる痴漢行為には、日本特有の原因があると思います、女子学生に対する性的いたずらはなおさらです。こうした行為は、日本における女性の社会的地位の低さから引き起こされるのではないでしょうか。痴漢がなぜ、女子学生を狙うのか、というと、制服が従順や服従のシンボルだからでしょう。女子学生は、不満を漏らさず、自分たちに従うだろうというふうに思っているのかもしれません。

実際、これは間違ってはおらず、女子学生の多くが大人や男性に逆らうことはしません。逆らった場合、自分の家までストーカーとしてつきまとわれたり、復讐されそうで恐ろしかったのです。実際、何度かストーカーにつきまとわれたこともありました。

――今回の本の中には、自らの家族に批判的な描写も出てきます。彼らはこれに対してどんな反応を示していますか。

これを最初、母に見せたとき、彼女は泣き出してしまいました。自分自身が学生時代に電車で通学した経験がないので、私のいろいろな感情を読み取れなかった、と言っていました。弟もとてもショックを受けていました。父は1日1~2ページ読むだけでも、相当な心的ダメージを受けていました。結局、すべてを読み終えるのに3カ月かかり、その後は激しい怒りを感じ、何も手に付かない状態になったそうです。

日本の女性は「マッチョ」だ

――佐々木さんは、フランスに住むことを決めましたね。フランスは女性として生きやすい場所ですか。

佐々木さんがフランスで出版した『Tchikan(痴漢)』

女性として生きるという点では、フランスよりも日本のほうがずっと厳しく思います。日本では依然、男尊女卑の傾向が強く、男性はいつも女性の上に立っていて、絶えず女性の心を傷つけているように感じます。たとえば、ビジネス上の会食などでは、いまだに女性がお酒をついだり、料理を分けたりする場面を見ることがあります。

また、日本にはフランスには存在しないようなキャバクラなような場所もありますよね。日本では、そういった場所に普通の男性が、普通に訪れています。私は1度、友人に彼女の夫がそういう場所に行っているかどうか尋ねたことがあります。

その時、彼女は「行っているのは嫌だけれど、それが仕事の1つでもあるからね」と答えました。フランスにはキャバクラは存在しないし、仕事の一環でそのような場所に行くことは通常考えられない、と伝えると、彼女は心底驚き、「それは本当なのか?」と何度も私に確認しました。

日本の女性は、自分たちが軽視されていることに気づいていないから、何も不満を言わないのだと思います。それどころか、上に立つ日本の女性は、このような男性優位社会でやっていくためなのかはわかりませんが、さらに「マッチョ」だと感じることがあります。しかし、これがおかしいということは、海外に行くとわかると思います。

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