宇都宮LRT「あの海外メーカー」が入札参加へ 路面電車には珍しい「狭軌」への対応が課題に

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宇都宮市がモデルとするストラスブール市を走るLRT(写真:ALSTOM TRANSPORT)

2022年3月の運行開始を予定する宇都宮LRT(軽量軌道交通)。昨年11月8日、宇都宮市は車両設計事業者を選定するため、「公募型プロポーザル方式」による「車両メーカー募集」を公告した。11月15日を参加申請書類の提出期限と定め、LRT整備事業への参加意思を各メーカーに問いかけたのだ。

宇都宮市が、この「公募型プロポーザル方式」を採用した理由は明確にある。車両を製造できる日本メーカーが少ないため、公募型にし、海外メーカーの参画も可能にする必要があったからだ。

そして、最終的に宇都宮市は3通の参加申込書を受け取った。

市は、車両設計プロポーザルに参加申込書を提出した企業に関して、LRT整備事業は公共事業であり、公正な審査を進める上で企業名は公表できないとの姿勢を示した。事業の中核を担う建設部LRT整備室で室長を務める矢野公久氏も、「車両メーカーの名前はわれわれの口からは話せない。それが原理原則。入札3社で、それ以上は話せない」と話した。

入札3社のうち1社は海外から

JR宇都宮駅東口には、市が設置したLRTを推進する看板が掲げられている。そこに映る車両は、フランス東部のストラスブール市を走るLRTだ。

JR宇都宮駅東口、軌道敷設予定の鬼怒通り。市の掲げるLRTの看板も見える(写真:Jean (tarkastad))

車両の先端が流線形となり、単純にかっこいい。モデルとして使用されたのも同じ理由からだ。宇都宮市の佐藤栄一市長は、講演などで「この流線形デザインがかっこ良く、気に入っている」と公言し続けてきた。製造したのは、言わずと知れた世界規模で展開する海外の車両メーカーだ。

はたして、その車両を製造したメーカーは入札に参加したのか。そこで11月30日、その海外メーカーの本社に問い合わせた。すると、「弊社は現在、宇都宮市へのLRT導入の機会を検討すべく、入札ステージに進んでいる。最終的に入札するかしないかの決断はしていない」との回答を得た。「公正な審査を進める上で企業名は公表しない」。その原理原則に従い、メーカー名を示すのはここでは差し控える。

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