丸井とゴジラが「異色コラボ」に踏み切る理由 アパレル市場の減退を見据えた新機軸とは?

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丸井グループの青木正久執行役員はアニメ事業の重要性を強調する(撮影:梅谷秀司)

アニメ事業部は、こうした方針に沿って、成長戦略の1つとして打ち出した新機軸である。同事業部にはさまざまな収益源がある。最も大きいものは、地方のSCなどに出向いてイベント企画を実施し、そこでのグッズ販売による売り上げだ。2017年はすでに「おそ松さん」「ラブライブ!」などのイベントを行っており、年間では300のイベント企画を計画する。

リアル店舗だけでなく、WEBでもアニメグッズを販売する。 2016年4月からECサイト「マルイウェブチャネル」でTシャツや缶バッジなどのアニメグッズ販売を開始。さらに、映画作品へ投資し、製作委員会へ参加することもある。

相乗効果を狙うアニメ強化

とはいえ、青木執行役員が「単独で事業柱へと育成することを目指すのではない」と強調するように、アニメ事業部はカード事業やWEB販売との連携による相乗効果の創出を主眼にしている。

たとえば、カード事業との連携。丸井のエポスカードでは、新規会員がアニメのキャラクターをイラストしたカードを申し込むケースが増えている。2017年5月まで新規会員のうちアニメカードの比率は2%程度だったが、人気漫画「銀魂」カードの効果で6月には10%に上昇。さらに、女性向けを意識したイラストのゴジラカードを投入したことで、同年10月には15%にまで膨らんだ。

マルイウェブチャネルでアニメグッズを購入した顧客のうち、新規客の比率は69%と、WEB全体の42%よりも高い。30代以下の若い層に限ると、82%を新規客が占める(WEB全体は56%)。

丸井はアニメ事業を核としたグループへの利益貢献を2017年度20億円(計画)から、2020年度70億円に拡大する目標を掲げる。アニメを切り口に新規客を取り込み、グループ全体の底上げを実現することはできるだろうか。

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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