「自動ブレーキ」の安全性能はまだ発展途上だ 「ぶつからない」車の実力が過信できない理由

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歩行者に対する「被害軽減ブレーキ」評価試験の様子。国内では交通死亡事故のうち、歩行者が占める割合が4割と多く、安全対策が急務だ(写真:自動車事故対策機構)

被害軽減ブレーキ、車線逸脱防止装置、ふらつき注意喚起、踏み間違い防止装置…。ドライバーの安全運転を支援する機能を搭載した車が急速に普及している。

もっともポピュラーな被害軽減ブレーキでは、2010年の乗用車の全生産台数に占める搭載率はわずかに1%だったが、2015年に40%に達している(国土交通省調査)。自動車メーカーのテレビCMなどでも、安全運転支援機能を〝ウリ〟にした宣伝が花盛りだ。

だが、こうした機能は万能ではなく、メーカーや車種によって事故を防止する「実力」に差があることは、ほとんど知られていない。

対歩行者の被害軽減ブレーキの「効き」に大きな差

その「実力」をさまざまな角度からの試験を通して点数化したのが、独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が年2回実施し発表する「予防安全性能評価」(NASVAの予防安全性能アセスメント)だ。

もともと同機構は、自動車事故時の車の安全性を評価する「衝突安全性能評価」を20年以上前から実施していたが、2014年度から事故を防ぐための予防安全性能の評価も開始。

「被害軽減ブレーキ(対車両)」「車線はみ出し警報」を皮切りに、「後方視界情報」「被害軽減ブレーキ(対歩行者)」へと評価対象を拡大し、2017年度からは「車線逸脱抑制」も開始している。

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