「入社1年目」へ言ってはいけない3つの言葉 早期離職を防ぐには部下の「タイプ」を学べ
消費財メーカーに勤めるCさんは、有名私立大学を卒業した女性だ。配属された営業の仕事にも意欲的で、持ち前の人懐っこい性格からすぐに職場にも溶け込むことができた。
しかし、入社して半年経った頃、大きく不安になる出来事があった。業績が悪いわけではないし、むしろ同期の中ではいいほう。けれど、隣の課に配属された同期が早速受注を取っており、「期待の新人」と言われているのを聞いてから、心がざわついたのだ。
努力が足りないのではないかと考えたCさんは、これまで以上に仕事に必死になる。夜中まで働き、体調が悪くても無理をして出社した。ところが上司は「このご時世なので残業しすぎはNG」「体調が悪いなら休め」と言ってくる。私はこの会社に必要とされていない人間なのかもしれないと、さらに落ち込んだ。
このタイプの人たちは、基本的に子どもの頃から「いい子」と言われて育ってきており、何ごともそつなくこなす器用さを持ち合わせている「優等生タイプ」といえるだろう。その反面、挫折経験が少なく、勝負に負けたり怒られたりした際のダメージは人一倍大きい。
「優等生タイプ」へのNGワード
このタイプの新人への禁句は「○○さんくらい頑張れ」や「○○さんはもっとできた」といったほかの新人や、かつての新人と比較した発言だ。無理をして自分を追い込むのも、「頑張っている自分を認めてほしい」という気持ちがそうさせている。他者と比較して自分を卑下するのも、内心では「そんなことないよ」と言ってほしいからだ。
Cさんが持ち直したきっかけになったのは、上司が社内イベントのリーダーにCさんを抜擢したことだそうだ。もともと頑張りやで器用な彼女はその役割に真剣に取り組み、イベントの評判も上々。小さな役割かもしれないが、成功した・認められたという経験をいかに設計してあげられるか。その経験を積むことで、しだいに自信がついてきたという。
あなたの会社の新人に、今回紹介したタイプのような人はいないだろうか。もちろん社会人1年目なので多少は至らないことがあっても当然だろう。「最近の新人は……」と語る前に、彼らが持つ本来の強みをどう生かすかに気づいてあげられると、飛躍的に成長を遂げられるかもしれない。
これは入社1年目の皆さん自身にも言えること。もちろん、今の組織に固執する必要はないが、「隣の芝」は青く見えやすい。「こんなはずじゃなかった」と安易に結論を出す前に、まず自分の強み・弱みを再認識し、仕事の進め方や先輩・上司とのコミュニケーションの取り方を工夫してみることで自分の望む仕事が近づいてくるかもしれない。
新人の弱点や、会社・上司への不満は、裏を返すとその個人・組織が持つ強みであり個性であることもある。2018年、前向きにスタートを切るためにも、年末年始の休暇は部下ないし自分の個性に注目し、ポテンシャルを生かすやり方を考えてみてはどうだろうか。
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