「40代で育児を始めた人」を待ち受ける"危機"

パラレルキャリアで定年後に備えないと…

副業はもちろん、ボランティア活動への参加なども含まれており、企業の狙いは、「自社業務以外の多様な経験を通じ、新たな価値観に触れることによって、社員のモチベーションと能力をアップさせること」にありました。国もまた、それによる新たな産業イノベーションや起業家の輩出を目指しています。大前提として、この考え方を理解することが重要です。「教育費を稼げる」などという目先の話ではなく、今後のキャリアそのものに影響を与えるものがパラレルキャリア。ここにまず気づかなくては、あと数十年後の定年まで窓際に追いやられるか、最悪の場合、職を失う可能性もあるのです。

副業や趣味から起業を実現した成功例も

私はこれまで多くの起業家を取材してきましたが、「パラレルキャリア」という言葉も知らないまま、趣味やボランティアの活動をスタートし、起業につなげた人物も複数いました。

たとえば、食品の冷凍アドバイザーとして起業した30代の男性は、開発職を目指して食品メーカーに就職しました。入社後、配属されたのは生産管理部門でしたが、彼はそこで諦めることなく、将来の開発に役立てようと、食材の冷凍に役立つ知識を書き溜めてブログで発信。その後、野菜ソムリエの資格も取得します。

そうこうする中、テレビ局から声がかかり、専門家として番組に出演。これを機にマスコミからの出演依頼が増えていきますが、会社には「仕事に集中してほしい」と言われ、起業に踏み出すことに。

この男性が決断できたのは、資格取得後、講師として登壇を依頼されたことが大きな要因となりました。さらに、資格の講座に通う中、「生産農家や料理教室の先生など、会社では出会わないような人と知り合い、一緒にできることがたくさんあると思えた」からだそう。現在までに、冷凍食品専門店舗も開業し、著書の発刊も実現しています。

一方、パラレルキャリアによって自分らしい働き方を実現できた人もいます。30代後半のITエンジニアの男性は、プロボノ(職業上の知識や技能を生かす社会人のボランティア活動)の活動を通じて、無償でNPO団体のホームページ制作を手がけ、やがて多くの団体から依頼を受けることに。本人の「社会起業家を支援したい」という思いと、「PR活動が苦手」という市場のニーズが一致していると感じたことで、コンサルも手がけるウェブ制作事業で起業を決意したそうです。

当時、妻は妊娠し、休職中でしたが、彼の活動ぶりを見てきたため、起業にも理解を示し、いっさい反対はしなかったそうです。むしろ、夫婦で事業のビジョンを考えていくうちに関係性はよりよくなり、「共同で家庭を運営するパートナー」という意識も高まりました。この男性は、起業したことで時間を自由に使えるようになり、子育てにも積極参加しています。「仕事でも子育てでも互いに支え合えるうえ、幼少期の子育てにコミットできたことで、親子の関係も深まった」と話していました。

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