首都圏のマンション高騰はいつまで続くのか 大手の寡占化で「適温状態」が維持されている

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縮小

2000年のピーク時には首都圏で9.5万戸あったマンションの供給戸数は、2016年には3.5万戸と約3分の1まで縮小。

一方、「メジャーセブン」と呼ばれる大手デベロッパー7社のシェアは、総供給戸数と逆相関をなす形で43%まで上昇してきている。

大手は財務内容が良好なため、目先のマンションを売り急いで資金化する必要がない。価格が高止まりして需要が衰えても、供給戸数を絞ることで“適温”状態を作り出している。

値上がりしながら進む、在庫消化

実際、不動産経済研究所によると、首都圏における新築マンションの価格は2017年1~10月平均で5960万円。2016年に比べ、400万円近くも値上がりした。

一方、在庫は2016年12月末に7100戸まで積み上がっていたが、消化が進み10月末には6100戸まで減っている。

東京カンテイの井出武・上席主任研究員は「外部要因によって市況が崩れない初めてのケースとなるのではないか」と、指摘する。

首都圏では共働き世帯数が増えたことに加え、超低金利により個人の借り入れ可能額は膨らんでいる。

大手デベロッパーが市況の手綱を握っているかぎり、価格崩壊は先送りされることになりそうだ。

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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