富士通とレノボ、パソコン合弁合意の舞台裏 13カ月もかけたのは好条件を引き出すため
今回の合弁設立で、世界首位のレノボは、肉薄してきていた同2位の米ヒューレット・パッカード(HP)を引き離すことになる。
2016年の出荷台数はレノボが5551万台、HPが5431万台(IDC Japan調べ、以下同)。レノボに富士通の345万台を足すと5896万台と6000万台に迫る。
今回のレノボと富士通の合弁設立で、パソコン3強の一角、米デルの出方に注目が集まる。3強とはいえ、デルの出荷台数は4073万台とレノボやHPに見劣りするからだ。4位の台湾エイスース、5位の米アップルは2000万台弱なので、デルの3位の座は揺るぎそうもないが、3強時代から2強時代への変遷が予想される。
東芝は売却方針を否定
国内ではレノボNEC・富士通連合の1強体制が鮮明になる。2016年の出荷台数は国内首位のレノボNECが259万台、2位の富士通が184万台で計443万台だ。国内3位のデル、4位のHP、5位の東芝はいずれも100万台前半だ。
東芝はエイスースへの売却交渉が報じられている。東芝は「パソコン売却方針を固めた事実も、個別企業と協議入りした事実もない」と今月17日に強く否定したが、東芝単独のままではジリ貧となる印象は否めない。
ちなみに東芝は2016年に富士通とVAIOとの3社統合が取りざたされたことがある。富士通幹部は「交渉の事実はない」と強く反発する。この3社統合案はVAIOの筆頭株主、日本産業パートナーズが推し進めたが、東芝以外でこの案に乗った会社はなかったもようだ。
とはいえ、富士通が2016年2月のPC子会社設立からすでに1年10カ月が経つ。それほど時間をかけただけの意味はあったのか。富士通とレノボとの合弁会社が劇的に調達コストを下げられるかが試金石になるだろう。
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