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政治・経済・投資 #女子アナリスト4人組、金融市場を駆け巡る

日経平均「3万円」は達成可能か検証してみた 株価の上昇を阻むリスクは意外に大きくない

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  • 大槻 奈那 ピクテ・ジャパン シニア・フェロー、名古屋商科大学大学院 教授
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では、今の市場にはどの程度のリスクが潜んでいるのだろうか。

リスク要因1:「2京円」に近づく世界の債務

世界の債務総額は2017年3月で1京8000兆円。リーマンショック以降、約4割、5000兆円も増加した。大いに心配になる数字であり、IMF(国際通貨基金)やBIS(国際決済銀行)も一昨年来、警鐘を鳴らしている。

ただ、債務が問題になるのはその絶対値の大きさではない。返済能力が追いついているかどうかが勝負の分かれ目である。

これを判断するには、債務膨張のペースをGDP(国内総生産)の成長ペースと比較する必要がある。主要国の中で、GDP比で最も速いペースで民間債務が膨張した過去を持つのが日本である。1980年代、バブル期の日本の民間債務はGDPの2.2倍に上り、膨張ペースはGDP成長率をはるかに上回った 。

最も懸念されるのは中国である。債務膨張のピッチは、2015年には日本のバブル期を上回り、BISに「3年以内に3分の2の確率で金融危機が発生しうる国」リストの筆頭格に挙げられた。しかし、政府の債務抑制の舵取りで、ピークの2015年以降鎮静化しており、直近データでは、日本のバブル期よりはかなりまともな数字になっている。

課題だったシャドーバンキング資産も6月末でGDP比83%と、ピークだった昨年の87%から低下した 。先月の共産党大会を受けた規制強化で今後も抑制されるとみられる。一時期懸念されていた外貨準備も、資本規制強化で増加に転じている。一党独裁で規制の小回りが利くという点が、危機時の対応が後手後手に回った日本と違う“救い”である。

その他の国々で、債務がスピード違反で膨張している国はなく、足元では債務のGDP比の伸び率は総じて落ち着きつつある。

住宅価格の上昇は経済規模の大きい国では整合的

リスク要因2:住宅価格バブルの崩壊

世界的な低金利を受け、主要国の住宅価格は、1995年からの20 年余りで3倍近くまで上昇した。住宅価格の上昇は国民生活を圧迫し、景気を減速させる要因になる。

しかし、アメリカ、欧州諸国、日本などの住宅価格の上昇率は、GDPや賃料収入の上昇率と整合的である。たとえば米国の住宅価格は、2010年からの7年間で38%と猛烈に上昇したが、家賃も3割程度上昇している。ある程度、雇用状況、労働者数などの実需に基づく上昇であると解釈できるだろう。

一方、ニュージーランド、カナダ、北欧などでは、実体経済に比べて明らかに住宅価格の上昇率が高い。しかし、幸いこれらの国は、相対的に経済規模が小さく、個人向けローンも国内の金融機関でほぼ完結している。住宅価格が下落に転じたとしても、世界経済を腰折れさせる規模感ではないだろう。

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