働くLGBTや就活生が求める「安全感」の本質 日本企業の対策と意識はどこまで進んだのか

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右から2番目に座るのが日本テレビ放送網株式会社プロデューサーの谷生俊美さん(筆者撮影)

現在の部署に異動した際、たまたま上司となったのは谷生さんを採用した人事担当者だった。そこで谷生さんはある晩、思い切ってカミングアウトした。上司は「気づかなかった、言ってもらってよかった」と受け入れ、応援してくれた。また「谷生くん? 谷生ちゃん? なんて呼べばいい?」と呼び方まで気にかけてくれたという。

「まだまだ圧倒的にカミングアウトしていない人のほうが多い。それでも私はトランスジェンダー女性として生きることを選択して、それによって確実にエネルギーやクリエーティビティがパワーアップしたと思っています」と、自分らしく働くことが本来のパフォーマンスを高めると強調した。

企業担当者と学生らが双方の意見を交換

参加者で通路が埋め尽くされている、RAINBOW CROSSING TOKYOの様子(筆者撮影)

10月21日に開催されたのは、LGBTと企業がともに、自分らしく働くことを考えるイベント「RAINBOW CROSSING TOKYO 2017」。LGBTの子ども・若者支援に取り組むNPO法人ReBitが主催する、今年で2回目の開催となるキャリアイベントだ。

主にこれから就活に臨むLGBTの学生を中心に、すでに働いている人から企業の担当者まで、年齢やセクシュアリティを問わず約800人が参加。NEC、ギャップジャパン、丸井グループ、野村ホールディングスなど24社がブースを出展した。

企業ブースでは、LGBTの当事者がどんな働き方をしているかという話や、企業の担当者からLGBTに関する取り組みについて説明がされていた。参加者からは、働き方についてや企業としてのLGBTに取り組む姿勢など、リアルな質問が上がり、企業担当者と学生らが双方の意見を交換しながら対話を深めている様子だった。

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