トランプのアジア歴訪裏で起きたヤバい事態

アメリカの国内外で「波乱の予感」がする

これまでサウジ王家は伝統的にさまざまな主要セクションを有力部族で分割して担当するという、部族闘争を起こさないよう、バランスを取ることで知られていましたが、この一連の動きでついにMbSがすべての主要セクションを掌握する事態となり、これはまさに「独裁」といえるでしょう。

この微妙なバランスの上に成り立ってきたサウジが今後この路線で進むのか、当然、権力を手放した部族たちはおもしろくありませんから、新たな政争が起きる可能性も十分です。ただでさえ不安定な中近東が一気に荒れてしまう可能性も決して捨てきれません。

石油掘削装置稼働数が増えたのは何かの前触れ?

当方のHPで書いてくれているJDによると、「国王とMbSというサルマン国王一族が、(1)ナイフ一族(MbN)、(2)アブドッラー前国王一族(ムトゥイブ)、(3)タラール一族(ワリード)、(4)ムクリン一族(マンスール)、(5)ファハド元国王一族(アブドゥルアジズ)という有力王族を軒並み排除した」ということになります。これはまさに大事件です。

一方でMbSはこれまでの賄賂などが普通にまかり通っていた不正についても厳しく取り締まりを始めており、この独裁と不正取り締まりというのはどうも中国の習近平と重なって見える気もします。もちろん近代国家として歩み始めた、と好意的に見ることもできますが、今後の部族間対立、ある意味、独裁政権が持つ怖さなどを考えると、目が離せない事態になってきたといえます。

すでに原油の生産量ではアメリカが世界トップになっているものの、引き続きサウジも重要な供給源であり、独裁の先には、原油価格のコントロールなど市場に影響を与えるファクターはたくさんあるでしょう。国家財政の80%近くをエネルギー生産の輸出に頼っているロシアなどにとっては原油価格の高騰はまさに願ったりかなったりで、このあたりの「独裁者コンビ」が手を組む可能性も排除できません。

今週のワタクシのメルマガでは、すでにアメリカの油井稼働リグ(掘削装置)数が大きく増加しているというデータを出しましたが、まさにこういう一連の動きの中で経済も動いている、という一例でしょう。サウジのこうした動きの中、市場参加者は原油という新たな変数を解かねばならない事態になってきたことだけは確かです。「みなさま、シートベルトをいま一度お確かめくださいませ」ということになりますか……。

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