「首都圏大手私鉄」急行や快速の停車駅戦略

ほとんど1駅おきに停まる「急行」もある

準急が登場したのは、急行列車に利用者が集中するのを防ぎ、列車の遅延を減らすことが目的だった。同線は列車の通過待ちができる駅自体は少なくないものの、乗降の多い渋谷駅がホーム1面2線で、交互発着(ホーム片面に列車が入っているときに、後続の列車が別のホームに入ること)ができないのが難点だ。複々線は難しいにせよ、交互発着や列車退避ができる駅を増やす検討も必要だろう。

一方、同じ東急でも東横線は、通勤時間帯にも通勤特急や急行を走らせており、さらに各駅停車のみの停車駅でもあまり間隔を空けていない。急行列車の停車駅が多いことと、緩急接続(優等列車と各駅停車の接続)や通過待ちが可能な駅が多いことが理由であろう。

東横線の特徴は急行の停車駅が非常に多いことで、4駅通過する横浜―菊名間を除けば、2駅以上連続して通過する区間がない。かつてはこの急行だけが優等列車だったが、2001年の特急登場で速達性が向上した。

特急の上がある京急と京成

都心部に乗り入れる首都圏の大手私鉄で、特別料金不要の特急を運行しているのは東横線のほかに京浜急行電鉄、京成電鉄、京王電鉄だ。

都営地下鉄浅草線を通じて直通運転を行っている京成電鉄と京急電鉄は、最混雑区間が都心部から離れているという点が共通している。京成は船橋でJRに乗り換える人が多く、最混雑区間は混雑率132%の大神宮下―京成船橋間。京急の最混雑区間は戸部―横浜間で、こちらは混雑率145%だ。

両社には、特急より上位の優等列車として「快特(京成は快速特急)」がある点も共通しているが、停車パターンの点ではだいぶ異なる。

京成の場合、快速特急と特急の違いは佐倉―成田間の停車駅(特急は各駅に停まる)のみだが、京急の場合、特急は快特が通過する区間の中間駅に停車し、中規模駅にも停まる速達列車の役割を担っている。京成は特急、京急は快特を優等列車の主力としている違いからくるものだろう。

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