安倍首相のトランプ占いは「吉」か「凶」か ドナルド&シンゾー蜜月に「巻き込まれ不安」

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ゴルフに続いて、東銀座の高級ステーキハウスで夫人同伴の夕食を楽しんだ両首脳は、翌6日には迎賓館での昼食会も含めた日米首脳会談と共同記者会見という公式行事をこなし、同じ場所の晩餐会で「とても楽しい訪日」(大統領)を締めくくった。晩餐会にはイバンカ氏の娘(大統領の孫)がファンになった「ペン、パイナッポー、アッポーペン」が世界で大ヒットした歌手のピコ太郎さんも招かれ、大統領夫妻との軽妙な掛け合いが参会者の笑いを誘った。

こうした合計9時間半にも及ぶ首脳交流は過去に例のない華やかさで、イバンカ氏の"露払い"訪日も合わせた6日間の"トランプウイーク"は、「安倍外交のプライムタイム」(外務省)となり政府高官も「大成功」と胸を張った。しかし、一連の首脳協議での重要テーマだった北朝鮮危機や対中国外交、さらには日米貿易摩擦などへの対応では軋轢もあり、「日米外交の難しさ」も垣間見られた。

安倍外交のプライムタイムには"落とし穴"も

4日にハワイに立ち寄って日米開戦の地・真珠湾に沈んだ戦艦アリゾナの犠牲者を慰霊した大統領は、ツイッターに「リメンバー・パールハーバー」と書き込んだ。横田基地のスピーチでは日本を「宝のようなパートナーで、誇り高い歴史を持っている」と絶賛した大統領だが、過去の日本軍の米国奇襲への複雑な思いがにじんだ瞬間でもあった。

5度目となった6日の日米首脳会談での最優先議題は当然、ICBM発射や核実験を繰り返す北朝鮮への対応だった。両首脳は過去の対話を無視して暴走する北朝鮮に対し、日米両国が「最大限の圧力をかける」ことで一致し、共同会見でも「日米が100パーセント共にあることを力強く確認した」(首相)、「われわれは黙って見ていない。戦略的忍耐の時期は終わった」(大統領)と共に強い言葉で北朝鮮を牽制した。

ただ、こうした日米首脳の言動に対して北朝鮮は機関紙・労働新聞を通じて「破滅を免れたいなら滅多に口を開くな」と恫喝するなど対話の気配はまったく見せない。非公表になったとされる米朝軍事衝突時の韓国からの邦人退避策協議が、解決の方途もない事態の深刻さを物語る。武力行使を含む「すべての選択肢がテーブルの上にある」と繰り返す大統領の対北戦略を、首相が「完全に一致している」と明言したことで、「日本が巻き込まれるリスクが高まった」(元外務省高官)ことも否定できない。

さらに両首脳は対北戦略で「中国が大きな役割を果たすことが重要」と口をそろえたが、直ちに中国外務省が「誰からも言われる必要はない」と不快感を示すなど、中国との連携も困難視される状況だ。日本にとって、米国と完全に手を組んでの対中外交は、軍事衝突に徹底反対している韓国との協議とも合わせて、「安倍外交の重大なネック」(自民幹部)ともなりかねない。

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