日経平均の連騰記録が途切れたらどうなるか 過去の「上昇ストップ後」の相場を調べてみた

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過去の長期連騰ではその後も高値が続いたと書いたが、実際のところはどうなのか。日経平均株価の連騰終了日を100として、30営業日後の動きを調べてみた(ただし、戦後の勃興期や高度経済成長期は除外)。
  
1986年や88年(バブル経済)の連騰後は4.8~7.1%高となっている。仮に2017年10月24日終値(2万1805円)に当てはめると、2万2800~2万3300円までの上昇も想定される。この価格は、1996年6月につけた平成バブル崩壊後の戻り高値2万2666円を上回る。

安倍政権の政策の新鮮味は乏しい

その一方で、2015年(アベノミクス相場)の連騰後は2.3%安となったうえ、その後に中国の人民元切り下げをきっかけに下げが加速した。2017年の連騰後の動きはどうか。足元は衆院選の結果から現政権への期待感が根強いものの、政策の新鮮味は乏しい。「アベノミクスの継続」というだけでは上値は買いにくい。

また米国株と日本株の2017年の年初来騰落でみると、日本株の修正余地も縮小している。9月末時点でNYダウが13.4%高、日経平均株価が6.5%高に対し、直近ではNYダウが17.8%高(10月23日時点)に比べ、日経平均株価が14.1%高(10月24日時点)と、日本株の出遅れ感が薄まっている。

海外勢の売買動向をみても、少し違和感を覚える。7月中旬以降に9週連続で計1.6兆円を売り越していたが、9月下旬以降に3週連続で計1.3兆円買い越しへ転じている。つまり、買いペースが速すぎることから、日本株の出遅れ修正一巡から海外勢の買いも一服すれば、上値追いも限られそうだ。

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