東洋経済オンラインは上場企業3205社を対象に各社の30歳社員の年収を推計。全国7地域(東京除く関東、東京、中部、近畿、北海道・東北、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめた。
これまで「東京都トップ500社」「東京都ワースト500社」「東京除く関東325社」「近畿580社」「中部427社」「地方に本社置く296社」「全国トップ500社」の30歳年収ランキングを紹介してきたが、最後に全国ワースト500社のランキングを公開する。
企業や読者の一部から「トップ500でランキングをすると、まるで500位が低いように見える」「給料の高い会社ばかりではなく、高くない会社の情報も知りたい」という指摘があり、それに応える狙いもある。
『会社四季報』の本社欄に掲載した本社所在地が各地域の会社のうち単体従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業は原則除いて集計した。各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年度賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いている。
400万円未満の上場企業は743社
30歳推計年収が300万円未満の上場企業は68社、本ランキングではすべて紹介できないが、400万円未満で見ると743社に上る。「全国トップ500社」で紹介したような高給企業と比べると、利益率の高くない事業を手掛けていたり、業績が苦しかったりと給料の高くない事情はそれぞれだ。
ただ、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、いわゆる正社員の平均的な実態と乖離がある場合もありえる点には注意いただきたい。東名阪などの大都市に本社を置きながらも全国に幅広く展開していたり、大都市以外の特定地域に製造拠点が集中していたりする企業では、地方の安い給与水準に全体が引っ張られているようなケースもある。
集計対象企業(3205社)を単純平均すると30歳推計年収は475万円、平均年収は590万円、平均年齢は39.8歳だった。