バスケ男子の「プロリーグ」は野球を超えるか

2年目を迎えた「B.LEAGUE」を分析

島田:昨シーズンは珍しさも手伝ってそれなりに注目されましたけど、これからはまさにB.LEAGUEの真価が問われることになりますね。実力と魅力を高めていかないと、スポンサーに本当の価値を見透かされてしまうかもしれません。

もちろん、よかったこともたくさんあります。たとえば、プロリーグができたことで、今バスケに真剣に向き合っている子どもたちが目指せる世界が誕生した。この意義は本当に大きいと思いますね。

プロでも中学生でも、魅力的なチームは「走っている」

大河:今シーズンの話をすると、ファンが見ていて、「やっぱりプロだなあ」っていうプレーをたくさん見せてほしいですね。今後は東京オリンピックに向けて日本代表による戦いも始まっていくので、B.LEAGUE効果で日本のバスケを強くする必要もある。

千葉ジェッツとか、アルバルク東京とかがそうだけど、非常にアグレッシブに守って、ボールを奪ったら素早く攻め切ってしまうというプレースタイルが理想です。ある意味、これが、長身の選手がそろった外国チームに対抗する日本代表の目指すべきスタイルでしょう。そういうプレーをするクラブをもっと作らないといけない。

島田慎二(しまだ しんじ)/1970年11月5日、新潟県生まれ。92年、日本大学法学部卒業後、マップインターナショナル(現・エイチアイエス)入社。95年、ウエストシップ設立。2001年、ハルインターナショナル設立。10年、全株式を売却。同年、リカオン設立。12年、ASPE(千葉ジェッツ運営会社)代表取締役就任。15年、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ理事就任。2015-16シーズンにおいて、1試合の観客動員がNBL最多の6835人を記録、年間観客動員も初めて10万人を突破する。B.LEAGUE初年度の16-17シーズンでは、天皇杯で日本一を達成。1試合の観客動員が7327人、年間観客動員が13万5000人とともに日本一を更新し、人気・実力ともにトップチームに押し上げる。17年9月、B.LEAGUEバイスチェアマン(副理事長)就任(写真:矢木隆一)

島田:ジェッツは、とにかく走ることが鉄則。アグレッシブに守り、攻めるときはアップテンポにいくスタイルです。富樫(勇樹)を中心に、そういうバスケをすることを徹底してますね。実際、富樫がうまく動けるように、彼に合う外国人選手を取ってきています。

かといって、富樫が将来いなくなったとしても、基本スタイルは変えません。チーム理念の中に「アグレッシブなディフェンスから走る」とあって、それがジェッツのアイデンティティになっていますから。

大河:B.LEAGUEの中でも、クラブによってはローポスト(ゴール下周辺)の選手にボールを入れて、セットオフェンスで攻めたりするところがある。でも、このスタイルのバスケでは、日本のクラブは強くならないと思う。どこも徐々にそれに気がついてきて、最近では「走るスタイル」を取り入れる流れがB.LEAGUEの中に広がりつつある。今年は、両クラブの間で攻守が素早く変わり、3ポイントを打つというシーンが多く見られるんじゃないかな。こういうプレーが日本のバスケットそのものの質を高めていくでしょうね。

要は、リーグ戦でやっていないことを「やれっ」と言っても難しい。普段あまり走っていない選手に、「代表になったんだから速く走れ」と指示しても無理ですよ。基本は「走る」。その一生懸命さが大事です。

島田:そうですね。人間って単純で、一生懸命走っているところに感情移入しやすいというか。高校バスケとか、全中(全国中学)バスケとか見ているとよくわかる。うまいとか下手じゃなくて、必死になって走っている姿を見ていると、自然に元気が出てくるというか。プロだって基本姿勢は中高のバスケと同じ。この姿勢に、プロならではの技を加えていけば、絶対に面白いし、見ている人たちだって感動してくれますよ。

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