「役員が最上階にいる会社」が冴えない理由 トップが変わらないと会社も変わらない

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同様に、組織内の人たちが日々何を経験しているのか、注意深く考察できるような質問をしてみよう。

従業員たちはどんな人たちだろうか?

彼らは自分たちがきちんと評価されていると感じているだろうか?

職場のどんな差別に悩んでいるのだろうか?

組織内にある上司を象徴するものは何だろう?

象徴のなかで、ビジネス上の意味があるものと、意味のないものはどれだろう?

Cがつく幹部は役員室持っていない

上司と部下の間にある「差別」解消に取り組んで、うまくいっている会社もある。ソフトウエア会社として異彩を放つメンロー・イノベーションズ社だ。

同社を率いるリチャード・ダンと、メンロー社の従業員たちはみな同じスペースで働いている。デスクも全員同じものを使っている。この会社では少人数のミーティングも大人数のミーティングも同じスペースで行われ、誰がそれを聞いていても、そこから何を知っても、あるいはそこに参加してもかまわない。

「そりゃ驚く人もいるだろうね」とリチャードは言う。「広くて開放的で、社員を締め付けるルールが何もないスペースにCEOがいるんだから。多くの企業は、上級管理職の面々に特別な部屋を与えて、彼らのステータスを印象づけている。けれども頭にCがつくうちの経営幹部たち(CEO、CFO、COOなど)は、役員室をもっていない。このスペースの真ん中にデスクがあって、そこに使い込んだ白いiMacが置いてある。遅くて有名なやつだよ。そこに私がCEOとして座っているんだ」。

彼はさらに付け加えた。

『管理しない会社がうまくいくワケ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

「私が部屋の真ん中に座っているのは、みんなが私の席はそこって決めたからなんだ。何かを決めるときには、私が近づいていく。厄介なプロジェクトの詳細が聞こえてくるところにね。そういうときは、彼らが私のデスクをプロジェクトメンバーの集団の中へ運び込むんだ。私は数カ月ごとに、新しい配置に合わせて移動のパターンを変えなきゃいけないんだよ」

リチャードとそのチームは、会社というものの象徴まで変えてしまった。そして大成功している。

メンロー社を訪ねたいなら、ミシガン州アナーバーのワシントンストリートと、リバティストリートの間にある駐車場に車を止めて、エレベーターで地階へ行くといい。7階建ての駐車場ビルの地階は、かつてフードコートとショッピングセンターだった。その窓のない地下室に、大成功を収めた”大物はお断り”の会社がある。

アービンジャー・インスティチュート
The Arbinger Institute

トレーニングやコンサルティング、コーチングといったサービスを提供するとともに、個人および組織のマインドセットに変化を起こし、イノベーションを推し進め、他律を解決し、継続的に成果を向上させるためのデジタルツールの提供も行っている。著書に『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

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