「自分への投資」があまり役に立たない理由 資格取得に血道を上げる人の残念な思考法

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「自分への投資をしましょう」というのはこういった資格ビジネスや自己啓発ビジネスをやっている人たちの決め手になるセールストークといえるでしょう。私は自分への投資よりも大切なのは「人への投資」だと思います。

人脈を作って信用を積み重ねていくことが何よりも大切なことです。自分に物を買ったり自分におカネを使ったりすることは控えても、人に使うおカネを惜しんではいけないと思います。

「人の役に立つこと」で「信用」が着実に積み上がる

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ただ、ここで言う「人に使うおカネ」というのは必ずしもおごってあげたりおカネをあげたりするということの意味だけではありません。何かその人にとって役に立つことをやってあげるということです。それによって、信頼でつながった人間関係ができます。これは何よりの財産です。

先ほど、資格をいくら取っても顧客がいなけりゃ話にならないということを言いましたが、まさに人とのつながりを通じて顧客というのはできていくものです。

なぜなら何よりも大切なことは「信用」だからです。「人に投資する」、人のために自分の労力とおカネを使うことによって「信用」は着実に積み上がっていきます。

そしてその「信用」はいずれ何らかの形で必ずリターンを生み出すと考えていいでしょう。誤解のないように再度言っておきますが、私は「自分への投資」がまったく意味のないものとは言っていません。要はバランスの問題だということです。

自分への投資と同じかそれ以上に人に何かをしてあげるということが、最終的にはよい結果をもたらすということではないでしょうか。

大江 英樹 経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表

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おおえ ひでき / Hideki Oe

大手証券会社で25年間にわたって個人の資産運用業務に従事。確定拠出年金ビジネスに携わってきた業界の草分け的存在。日本での導入第1号であるすかいらーくや、トヨタ自動車などの導入にあたりコンサルティングを担当。2003年から大手証券グループの確定拠出年金部長などを務める。独立後は「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるよう支援する」という信念のもと、経済やおカネの知識を伝える活動を行う。CFP、日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『自分で年金をつくる最高の方法』(日本地域社会研究所)、『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』(東洋経済新報社)などがある。

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