「自分への投資」があまり役に立たない理由 資格取得に血道を上げる人の残念な思考法

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資格と同じように、自己啓発に努めている人も世の中にはたくさんいます。その証拠に自己啓発本というジャンルは実によく売れています。さらにもっとすごいと思うのは自己啓発セミナーです。

だいたい、そういうセミナーというのは高額のものが少なくありません。半年間で50万円とか100万円払ったり、1回のセミナーでも10万円を取ったりするのを見掛けることもあります。私はよく資産運用やライフプランのセミナーを自分で主催しますが、参加費はせいぜい2000~5000円程度ですから、世の「自己啓発セミナー」のたぐいがいかに高額のものかということに驚かされます。

自己啓発とダイエットは同じ構造、実行こそが難しい

私は前から素朴に疑問に思っていることがあるのですが、なぜ次から次へと新しい自己啓発本や自己啓発セミナーが出てくるのでしょうか。本当に役に立つものであれば決定版みたいな本やセミナーを読んだり受講したりすれば足りるわけで、次から次へと新手のものが出てくるというのが不思議でなりません。

でも考えてみると、これはダイエット法やダイエット本と同じ構造なんですね。これが決定版みたいなものがあれば、それだけが売れるはずですが、相変わらずさまざまなダイエット法の本が続々と発売されています。

ダイエットなんていうものは単純です。要はカロリーを計算してバランスよく栄養を取り、食べ過ぎないようにする。同時に運動を行って基礎代謝を上げるということを地道にやれば必ず成功します。ビジネスで成功する秘訣もシンプルです。自分自身で考え工夫したことを地道に血のにじむような努力を毎日続け、失敗したことを反省し修正しながら繰り返していけば、やがてうまくいくはずです。ところが、いずれも言うのは簡単ですが実行するのは難しいことばかりです。

要するにダイエットもビジネスも難しいことはやりたくなくて、楽をして達成したいと思うからお手軽にできそうな簡単ダイエットの本や自己啓発セミナーが大流行なのではないかという気がしてなりません。私はサラリーマン生活を38年間やってきましたが、「ビジネスは理屈ではない」と思います。そんなセミナーに出たぐらいでうまくいくほど甘いものではありません。ビジネスは自分で悩み、苦しみながら身に付けていく以外に成功する方法なんてものはないということを知るべきです。

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