中国ネット出前ブームで「事故急増」の教訓

「安全よりスピード」には弊害がある

 9月28日、中国では食事の出前サービスがブームとなっている。推定約300万人に上る配達員の多くが、静かな電気スクーターか三輪バイクを運転しており、彼らによる交通事故が急増している。写真は21日、北京で配達に出かけるEle.meの配達員(2017年 ロイター/Thomas Peter)

[北京 28日 ロイター] - あざやかな青いジャケットを着たフードデリバリー配達員の運転するスクーターが、雨で滑りやすくなった路面を、混雑した交差点に突っ込み、曲がろうとしていた車に衝突。ドライバーは路面に投げ出された──。

これは中国の警察当局が、配達員のスピードの出し過ぎを注意するため、サイトに掲載したビデオの一場面だ。

今年前半だけで76件の死傷事故

中国では食事の出前サービスがブームとなっている。推定約300万人に上る配達員の多くが、静かな電気スクーターか三輪バイクを運転しており、彼らによる交通事故が急増している。

警察当局が注意喚起に乗り出すなか、配達ドライバー自身からも、安全よりもスピード重視のプレッシャーにさらされているとの不満が聞こえてくる。

「ラッシュアワーは、いつも事故が起きる。友人は車にはねられ、2カ月働けなかった」と、北京で配達員をしているZhangさんは言う。

中国のオンライン出前市場は、電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングス<BABA.N>やネットサービス大手騰訊控股(テンセント・ホールディングス)<0700.HK>が支援するサービスが主導している。国営の中国インターネット情報センターの報告書によれば、今年前半には利用者が41・6%増加し、3億人に達した。

上海では、出前配達員が絡む死傷事故が、今年前半だけで76件発生し、警察当局は8月、大手デリバリー各社に対して交通安全基準の改善を求めた。

次ページ警察やメディアは一斉に業界を非難
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 育休世代 vs.専業主婦前提社会
  • 若者のための経済学
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
かんぽ まさかの10月営業再開<br>日本郵政グループの不適切判断

日本郵便本社が発した「10月からかんぽ営業を段階的に再開」との緊急指示に、現場は大混乱。乗り換え勧奨禁止などの再発防止策、7月末に実施を発表した全件調査、特定事案調査にも大きな問題を残したままだ。拙速な営業再開の裏には何が。