48歳シングルマザーが貧困に苦しむ深刻事情

障害を持つ息子は1人で留守番すらできない

子育ては本当に手がかかった。誰も助けてくれる人はいない、養育費も振り込まれなくなった。貯金は尽きて家賃も払えない。相談できる人はいない。どんなに不安でも、1人で頑張らなければならない。不穏になって暴れる子どもを眺めながら、もうとてもこのまま生活はできないと思った。

「おカネが尽きちゃったんです。ご飯が食べられなくなったりして、どうにもならなくなって児童相談所に相談した。生活保護を受けたらどうでしょうって提案されて、いろいろ動いた。でも、その過程でもう私が疲れてしまって。ワーカーさんたちとのやり取りで疲れ切りました。無理やり調停して『養育費を払わせるように』みたいな流れになったり。母親に無理やり連絡をとったり。もうエネルギーがなくなってしまって、生活保護は諦めたんです」

福祉に助けてもらいたかったが、慰謝料をもらうことは再び子どもと父親がつながることになる。会わせなければならない。それは避けたかった。

生活保護は諦めた。しばらく児童手当と障害手当、それと深刻な窮状を知った母親からのお小遣い程度の仕送りで生活した。毎月のように電気が止まり、たまに水道も止まった。たびたび食べ物にも困る状況になり、最後の望みとして勧められた母子寮に面接に行った。子どもの重篤な症状を理由に断られた。子どもが7歳のとき、どうにもならなくなって施設に預けることを決めた。

出会い系で自営業の人と知り合い、再婚

29歳。仕事を再開した。英会話学校の非常勤講師をして、月15万円程度の収入で細々と暮らした。子どもが生まれて在宅介護が始まってから、友達はいない、さらに一切遊びにも行けなかった。30代になってから誰かとの出会いを求め、出会い系サイトを頻繁に使うようになった。

「出会い系で、電気関係の自営業の人と知り合って、付き合い始めました。2度目の結婚をして、相手の家に入りました。32歳のときです。相手もバツイチ。仕事をしながらの1人暮らしより、生活は楽になりました。久しぶりの普通の生活でした。しばらく平穏だったけど、旦那の娘がうつ病を患って実家に帰ってきた。連れ子と一緒に暮らすようになってから、おかしくなりました」

夫は妻と死別だった。死別までは本当に平穏な家庭だったようで、連れ子の娘からは憎しみがこもった対応が続いた。

「前の奥さんが亡くなってから、ガタガタと幸せな家庭が崩れたみたいでした。うつ病の娘はすごく不安定で、とにかく私に攻撃的でした。お葬式のとき、『絶対再婚しない』みたいなことを言ったらしくて、娘は裏切られたと、とにかく父親にあたり散らしていた。最終的には家族全員から私に『出ていけ!』みたいな感じになりました」

淋しさと貧困生活から抜け出すため、施設で暮らす子どものことを理解してもらいながら、一緒に暮らしていける人がいればいいなと望みを託した再婚だった。このまま普通の生活が送れればいいと思っていたが、10年間で破綻した。2度目の離婚のとき、42歳だった。

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