男性たちもハマる占い、その知られざる効果 精神科医も通って驚いた
自分に何が起こり、どう思っているか。言語化することで物事が整理され、気持ちがすっきりする点が共通している。
占いでは、具体的なアドバイスを得られることもある。
某有名占い師を訪ねたとき、春日さんはこう言われた。
<南に10メートルでも引っ越せば、物書きとしてお金も名声も素晴らしいものが手に入ります。ただし、2週間以内に>
難しく思えるが、夜逃げすると考えれば不可能ではない。
「女房に怒られるとさすがに断念しましたが、実行する腹が据わっていれば何かやり遂げられるともいえる。助言の中に、人の心を揺さぶる絶妙なテクニックがありますよね」(同)
別の占い師から「夫婦仲が危ない」と言われたこともある。危機感はなかったが、妻が「車があったら便利よね」と言うのを聞き流さず、ディーラーに行き、ミニクーパーを買った。車を得て、生活は便利になった。
「墓参りに行って」と言われて実行すれば、実家に顔を出すことになり、親子関係もよくなるかもしれない。気をつけるだけで、好転する事象は多いものだ。
「普段やらないことをやれば気分は変わるし、困っているときに具体的なことを言ってもらえると嬉しい。おまじないみたいなものでしょう。患者も薬が『効くか効かないか五分五分』と言えば嫌な顔をします。『とにかく飲んでみてください』と自信のある顔で言ったほうが、いろいろうまくいくことが多いんです」(同)
カウンセリングとまではいかないが、占いの言葉から癒やしを得た人は少なくない。
独特の安心感に癒やし
臨床心理士の女性(35)は、大学院時代、27歳で失恋した。復縁を願い、スピリチュアル系の記事を読むようになった。ある日、人気占い師の本を書店で見つけ、立ち読みした。
<この星座は、言葉が巧みだけれど、言葉の向こうにいろいろな思いを抱えている人です>
読んだ瞬間、「わかってもらえている」と強く感じ、本を持って迷わずレジに向かった。
以来、この占い師のサイトやツイッターを小まめにチェックするようになったという。
「抽象的に状態を描写するだけで、ずかずか指示されたり、否定されたりすることもない。独特の安心感があって、癒やされていたんだと思います」(女性)