小池新党、「希望」と「野望」と「失望」のはざま 選挙に弱い「落ちこぼれ」の駆け込み寺か?

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小池氏は新党結党会見の後、都庁内で小泉純一郎元首相と会談した。席上、小泉氏は「原発ゼロは自民党ではできない。都知事が言ったのは非常に大きな意味がある」と述べ、小池氏を「頑張れ」と激励したという。

安倍首相の政治の師匠だが「原発ゼロ」が持論、なおかつ自民党議員で将来の有力な首相候補の小泉進次郎党筆頭副幹事長の父親である元首相との会談を絶好のタイミングで設定するあたりは、「メディア戦略の化け物」(自民都連幹部)といわれる小池氏の面目躍如だ。

安倍首相も小池氏も「政界の魑魅魍魎」

安倍首相は国民注視の解散表明会見で、今回の解散を「国難突破解散」と命名し、「私自身の信任を問うものでもある」と語ったが、小池氏の「希望の党」結党宣言については「希望というのはいい響きだ。第1次安倍政権では首相補佐官や防衛相を務めていただいた。政治手法には違いがあるが、政治理念は共通している」と語るとともに「都知事とは東京五輪を成功させるという共通の目標があるので、フェアに戦いたい」とあえてエールを送った。

一方、小池氏は民放テレビで首相の冒頭解散を「まず自民党総裁3選ありきの"安倍ファースト解散"」と皮肉ったが、「ある意味想定していたので、チャンスにしていきたい」と笑顔も見せた。

結党の経緯からみて小池新党の「先輩格」でもあり、安倍政権寄りとみられている日本維新の会の馬場伸幸幹事長は、首相の臨時国会冒頭解散について「こじつけ解散」と酷評し、選挙戦での対決姿勢を強調した。

維新とともに改憲勢力とみられている小池新党が安倍首相と真正面から対峙すれば「自民半数割れ」ともなりかねない。にもかかわらず首相と小池氏がなぜか微妙な距離を保とうとする辺りは、どちらも「政界は魑魅魍魎(ちみもうりょう)ばかり」という永田町の格言を体現しているともいえそうだ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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