小池新党、「希望」と「野望」と「失望」のはざま

選挙に弱い「落ちこぼれ」の駆け込み寺か?

小池氏の新党結党宣言と並行して、希望の党は9人の衆参国会議員を所属議員として東京都選挙管理委員会を通じて総務省へ設立届を提出、受理された。ただ、「結党宣言は簡単」(自民長老)な新党立ち上げだが、衆院選公示までわずか半月では、候補者選びはもとより、公認候補を支える組織づくりや選挙資金の手当ては簡単ではない。

小池氏周辺から漏れる150人規模の候補者擁立となれば小選挙区と比例の重複立候補を前提とすれば供託金だけでも約9億円が必要で、選挙活動費も加えれば20億円近い資金調達を迫られる。今のところ「小選挙区の供託金300万円は自前で賄ってもらう方針」(若狭氏周辺)とされるが、全くの「徒手空拳」の候補者の立候補は難しくなる。

それ以上に問題なのが「候補者の資質」だ。若狭氏が新党結成を前提に立ち上げた「輝照塾」には約200人の塾生が参集したが、小池氏の求める「直ちに国政を担える優秀な人材」は極めて少数とみられている。7月の都議選で都議会第1党に躍進した「都民ファーストの会」の都議に「発言禁止令」を出した経緯もあり、小池新党で国政の場に送り込まれた新人議員達も「議員目当ての単なる小池チルドレン」となる可能性は少なくない。それでは、小池氏の目指す国政の大改革は「夢のまた夢」となる。

新党便乗組ばかりなら切れる「クモの糸」

そもそも、小池新党の中核となる国会議員の顔ぶれをみても、若狭、細野両氏は別としても「新たな保守政権の受け皿」という旗印より「議席獲得が最優先」とみえる議員が少なくない。24日に自民党離党と小池新党参加を表明した福田峰之前内閣府副大臣は、過去4回の衆院選で自民党公認で出馬した神奈川8区でいずれも江田憲司・前民進党代表代行に敗れ、そのうち3回は比例復活で生き残ってきたが、今回小池新党が同区に候補を立てれば、「比例復活の芽もない」(自民県連)とみられていた。

また、25日に民進党に離党届を提出して小池新党参加を表明した松原仁・元国家公安委員長も前回衆院選で東京3区から出馬したが自民公認候補に僅差で敗れ、比例復活した。松原氏は昨年夏の都知事選では民進党が擁立した著名なジャーナリスト・鳥越俊太郎氏の選挙で同党都連会長として小池氏打倒に奔走したのに、「手のひら返し」での小池新党入りには「議席を失いたくないだけ」との批判が相次ぐ。

こうしてみると「希望を持てる国にするため日本の政治を変える」という小池氏の結党宣言とは裏腹に「政治理念や政策より小池人気にすがって議員バッジを付けたい」という議員や候補者がはせ参じている印象は拭えない。小池氏はこれまで「新党をクモの糸にはしない」と繰り返してきたが、政界で「議員になりたい人の希望の党」(小池晃共産党書記局長)と皮肉られるように、“新党便乗組”ばかりが小池新党にすがれば、「クモの糸が切れてしまう」(自民長老)結果にもなりかねない。

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